気の向くまま３０ ページ31
「氷室さんっ！！」
「勝ったな！ 氷室！」
「すげぇのな！」
観客席に戻れば、賛辞の応酬。
参ったな……。
『はい、これ』
沢田くんに風のリングを差し出せば
「ありがとうっ」
と言って受け取ってくれた。
うん。良かった。
さて、と。
皆でさ、喜んでるとこ悪いんだけど……
『やっば、少しフラフラするわ』
「血の流しすぎだな。貧血だ」
『やっぱりっすか』
保健室の先生が、私の傷を見て言った。
「まずは手当てが先だな。歩けるか？」
『頑張ります』
「無理すんなよ？ 俺が抱えてやろうか？」
『いや、ディーノさんの服に血が付きますよ？』
「構わねぇよ。ほら」
手を出してくるディーノさんに申し訳なく思いながら
やっぱり歩けそうも無いので、素直に甘えることに。
「跳ね馬、氷室を抱えてコケるなよ」
「流石の俺もそこまでドジじゃ……って、うわっ！！」
『え、ちょっ！！！』
……こけましたね。
後から聞いた話だけど、ディーノさんは部下がいないと基本ダメダメなんだとか。
部下の前だと、それはもう素晴らしいほどボスの顔になるらしいんだけど。
……そんな人間もいるのね。
「じゃ、俺が背負ってやるよ！」
『……山本くんはこけない？』
「任せとけ！気を付けるのな！！」
気を付けてもらわないと困る。
傷が痛い……。
それから、中山外科医院というところで手当してもらって
私は家に帰った。
濃い、一日だったな。
眠いな。
なんて、思いながら家の玄関を開けた。
「───A！！」
『……え』
起きてたんだ……。
今夜中よ！？
とかいう考えは吹っ飛びました。
扉を開けた瞬間、抱きしめてきた母さん。
「……良かった。良かった……」
『……母さん？』
「本当に……良かった……」
泣いてるの？
無粋なことは聞かない。
声が……肩が震えていた。
だから、私はそっと母さんの背中に手を伸ばした。
大丈夫。私は、帰って来たよ。
生きて、帰ってきたから。
ありがとう、母さん。
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氷凛(プロフ) - たけちゃんさん» ありがとうございます！ そっち行きますね！ (2019年1月14日 15時) (
レス) id: f4be4844b9 (このIDを非表示/違反報告)
たけちゃん(プロフ) - やっぱなんでもないです！友達申請してきました！ (2019年1月14日 14時) (レス) id: f1405591e3 (このIDを非表示/違反報告)
たけちゃん(プロフ) - 氷凛さん» いや、暇人なんすよ笑友達ですか〜いいですね！どうやったらなれるんですか？ (2019年1月14日 14時) (レス) id: f1405591e3 (このIDを非表示/違反報告)
氷凛(プロフ) - たけちゃんさん» 早いっすねww ありがとうございます！ ……あの、相談なんですが、良ければ友達になりませんか！？？ (2019年1月14日 14時) (レス) id: f4be4844b9 (このIDを非表示/違反報告)
たけちゃん(プロフ) - めっちゃいいお話っす！お気に入り登録しました！更新頑張ってください！ (2019年1月14日 10時) (レス) id: f1405591e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：氷凛 | 作者ホームページ：http://123
作成日時：2019年1月14日 1時
