最も罪が重いのは【黒尾鉄朗】

番外編1 ページ24

最近急に結城くんの性格が変わった。

そう感じているのはやはり私だけではない。

むしろ女子はほぼ全員気づいているといってもいいと思う。


前の結城くんは誰にでもあの優しい笑顔を見せて、誰にでも話しかけて…。

それだけでもカッコいいのに、あの美形。あの頭の良さ。あの運動神経の良さ。

まさに完璧な王子様だった。


でも今は違う。

前みたいには笑顔じゃない。あまり話しかけていない。

それでも笑う時は笑うし、何も話さないわけじゃない。

前よりその回数が減ったというだけ。


…ならば好感度はどうなったか、というと。

そこまで変わっていない。
…いや、増えた。

クールっぽくなったことと、笑顔が貴重になったことでキュンとくる。らしい。

恐るべし結城くん。



そんな結城くんは黒尾くんといる時が一番楽しそうだ。

あの笑顔も、会話も。全て黒尾くんに移ったみたい。

…だから変な噂がたつのだが。



「やっぱり結城くんと黒尾は付き合っているのよ！」

「私にもそう見えて仕方ない！」

「「だよねー」」


結城A、黒尾鉄朗による"付き合ってるのではないか疑惑"だ。

一部の女子が小声でよく話しているのを耳にする。


とにかく、結城くんは変わった。

理由は知らないけどいい方にいってるから別にいい。

私も、今も昔もカッコいいと思うし。




『おい黒尾やめろ』

「あれ、怖いんですか？」

『ああ、お前のその顔が怖いな』

「予想外の返答」



おっと。本人たちが来たようだしここまでに。

とりあえず、このまま幸せになりますように。




2人が。





「ねえ、やっぱりあの2人の距離近くない？」

「…はげど」



実は私は一部の女子の分類に入る。


どうか、付き合いますように。いや、付き合っていますように。

そして私たちの目の保養に…！






＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿


Q.付き合っていらっしゃいますか？

「んなわけ。親友。以上」

「別に付き合ってもいいけどな」

「…お前、そういう冗談がこういう結果を招いてるの分かってるか？」



A.二人はこの現実に気づいている様子。
付き合っていないようで。

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