最も罪が重いのは【黒尾鉄朗】

クラスメイトA君の証言 ページ1

世の中には様々な人がいると思う。

突然こんな話をするのもなんだと思うがふと、彼を見てそう思った。


結城君。

彼はとても優秀な人だ。

学級委員に立候補し、皆の嫌がる仕事を進んで行う。

それだけにとどまらず顔良し、体格良し、頭良し、運動良し。
勿論性格も良し。

神はこの少年にひいきでもしたのだろうか。
いや、断言する。
彼はこの少年にひいきをした。

それほど、彼は完璧だった。


無論、こんな完璧な男に人が集まらないわけがない。

彼の周りにはいつも人がたくさんいた。

異性も同性にも好かれる彼。


誰にも好かれるなんて普通はありえないが、何故か彼のことは誰も嫌わなかった。

だから、権力を持った奴らとも仲良くしていた。
いや、どちらかというと彼が権力をもっていたのだろう。

そいつらは軽いものだけど、いじめや暴力をする。

彼は善人のはずなのに、付き合いをやめなかった。

僕はそれにも理由があるとみた。
きっとそいつらの悪事を防いでいるのだ。

そう思いたい、と皆が思っていることだろう。


地味なグループだろうが
派手なグループだろうが

男だろうが
女だろうが

皆彼の虜だった。


僕は彼が罪深き人だと思う。

今の完璧な彼のどこに欠点があるのか、分かるかな？

もう少し、彼を知ればきっと分かる。


このことに気づいているのは僕。


ひょっとしたら彼も…かな。






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