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有沙はひとしきり私を殴って、それでもまだ足りなかったのか
私を突き飛ばして叫ぶ。
「あいつなんて、行方不明と言わずにさっさと死ねば良いのに」
自分の中で何かが切れる音がした。
わけのわからない言葉を叫びながら私は有沙を突き飛ばす。
有沙は大きく転んで、床に頭を打ち付ける。
「この野郎…」
かなり強く打ち付けたのか、後頭部をおさえてゆらりと立ち上がりながら
「死ね!!」
稚拙だけど、短く、一瞬で相手への嫌悪を言い表すことのできる便利な言葉だ。
このままじゃ、殺される。
そう直感した。
今まで私は一度も彼女に反撃をしたことがなかったのだから。
殺される。
嫌だ、嫌だ。
怖い。やめて。
死にたくない。
死にたくない。死にたくない。
…せめて、美雨を見つけるまでは____________
私はなぜか泣きそうになりながら、玄関へ走って、そのまま飛び出した。
暗い夜の中を走る。
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ひゅう - めっちゃ面白いです!! (2017年7月6日 23時) (レス) id: 94a9de8573 (このIDを非表示/違反報告)
真冬のひまわり(氷華)(プロフ) - ふかすずさん» ありがとうございます!更新が遅くて申し訳ありません。少しずつですが、頑張ります! (2017年2月25日 11時) (レス) id: 8ad18557ee (このIDを非表示/違反報告)
ふかすず(プロフ) - 面白いですね!更新頑張ってくださいね♪ (2016年9月2日 16時) (レス) id: 837a5f48ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:真冬のひまわり | 作成日時:2016年8月29日 21時