今宵、貴方と最後の晩餐を (ページ7)

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どちらかというと、美雨は運動が得意で
私は勉強が得意だった。
だから、私は美雨に合わせて、少し下の高校に入学することにした。
入学してからと言うもの、家族ではなくなっても、常に行動を共にして、楽しく過ごした。
たまに、美雨の里親の話を聞いたりもした。とても優しい人たちのようだった。

でも、楽しいのは最初のうちだった。

美雨が、学校でいじめられ始めたのだ。
私と美雨はクラスが隣で、細かい事情までは分からないのだけれど、
わかりやすくいうと、美雨は、クラスの女王様的存在の子と衝突したらしい。竹を割ったような、そして正義感の強い美雨の性格から考えると、そんなことが起きてしまうのも納得できる。
クラスが違うから、出来ることは限られていたけれど私は、美雨を救おうと必死になった。
だって、私は美雨に救われてきたから。

だけど、私は無力だ。
現実はそう簡単には変わらず、いじめっ子たちには見向きもされない始末。
美雨がいじめられてしまうくらいなら、私に標的が移ればよかったのにと思った私が甘かった。
私は、何もできなかった。

何も出来ないまま、月日は過ぎ
もう、私たちは三年生になっていた。

美雨は明るく、優しい子だけれど
何度か弱音を吐いていた。

「もう、嫌だなぁ…」

と。
卒業するまであと少し。
もう少しの辛抱だ。
美雨が行方不明になったのは、そんな時だった。