今宵、貴方と最後の晩餐を

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美雨とは、私の大切な友人だ。
友達がほとんどいない私にとって、唯一何でも話せる相手と言っても過言じゃないかもしれない。

大切な大切な親友。
そして、私の「"元"家族」。
どうして親友が家族なのか。
そして、どうしてその家族が現在は"元"なのかというと…____________







「ちょっとA！！」


さっきの声が私を呼ぶ。
私がうんざりしながら出ていって、リビングに顔を出すと
ソファの背もたれに偉そうに背を預けたそいつは、片頬だけで笑いながら図々しく私の名前を呼ぶ。


「A、どこ行ってたの」

「…手、洗ってた」


あと、顔。と付け足すと、そいつは鼻で笑いながら


「洗わなくて良いじゃない」


あんたなんて汚い方がお似合いよ。と言う。
うるさいな、と思いつつ、言い返すと面倒くさいから無視をする。

けれど


「無視してんじゃないわよ」


そいつは、私の態度が癇に障ったのか、さっきやっと綺麗になった顔を、殴ってまた汚す。
鼻から生暖かいそれが垂れてくる。
痛いやらムカつくやらで睨み返すとそいつは舌打ちをして


「何？文句あるの？」


と言う。


「あんたは何も考えずに私のオモチャでいれば良いのよ」


何を偉そうに、と思うけれど、その心を見透かしたかのように


「嫌って思っても無駄って、あんたが一番わかってるでしょ？
私だって、あんただって。他の奴らだってみんな
帰る場所はここしかないんだから」


悪魔のような顔で笑う。
こいつの名前は民谷有沙。

私の家族だ。

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