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ロレッタ様方につれられて、路地裏にひっそりと存在するカフェに来ました。木の純朴な香りがするそのカフェは人がまばらで、いかにも通といいますか、高級そうといいますか、ともかく普通ではない感じがしました。
カウンター席にはヴェルメイヌ様が座っていらっしゃいました。
ロレッタ様とラヴェンデル様は慣れたご様子で、ヴェルメイヌ様の隣に着席しました。一瞬躊躇いましたが、私もそれに続きます。ヴェルメイヌ様はちらりとこちらを向くと、静かにご機嫌よう、とだけおっしゃりました。
「ヴォルフの町で一番のカフェといえばここさ。ここの紅茶はなかなか美味しいんだ。しかも、ワインを使ったデザートは逸品でね……」
「サマーホリデーになると皆でここに来るんです！」
相槌を打ちながら、私は店内を見渡します。よく見れば、お客さんのほとんどは……一見すると地味ですが、よく見るとかなり高価である事が伺えるような、そんな服装の人ばかり。お忍びの貴族でしょうか？
「オリヴィアちゃん、紅茶はどれにする？ここの紅茶はどれも美味しいよ、はずれがない」
「でもこれ！ここはローズティーが一番美味しいですよ。あ、それともオリヴィアさん、珈琲派ですか？」
「お姉様、ラヴェ、勧めすぎですよ」
ロレッタ様とラヴェンデル様をヴェルメイヌ様がたしなめます。ロレッタ様はおかしそうにくすりと、ラヴェンデル様は少し恥ずかしそうに笑いました。
「では、ローズティーを……デザートはどれが良いんでしょう？」
「ワインゼリーが一番だよ。けどここはクッキーやケーキも上質だから……」
「ブルーベリーのパイが最高で……」
「お姉様、ラヴェ、ですから勧めすぎですってば」
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