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階段をのぼって、軋む廊下を歩きます。いくつかある客室のうち、私は廊下の突き当たりを選びました。特に理由はありません。強いて言うなら、私が隅っこを好むからかも。
やだわ、埃っぽいわね。換気しましょうよ。ミザリーが言います。私もそれに賛成でした。この部屋、長らく使われていないのでしょうか、埃っぽいのです。窓を開けて、外の空気を吸い込みます。
荷物を置いて、一階の玄関ホールに戻ります。ゼロ様は先程の椅子からまったく動いていません。私が戻ると、ゼロ様は立ち上がりました。
「私のお願いはお昼に……そうね、お昼にしましょう。オリヴィア、昼食を食べたら詳しい話をするわ。まずは掃除をしてちょうだい。掃除用具は物置部屋に置いてあるわ。物置部屋の場所は間取り図を見なさい。ただし、地下に続く北の階段と、それとエレベーターには近付かないように。掃除が終わったら昼食にしましょう。あまり美味しくはないけれどね」
「かしこまりました。それでは失礼します」
ゼロ様に一礼して、お借りした間取り図を片手に物置部屋へ向かいます。
物置部屋の様相もまたひどいものです。埃っぽいし、カビ臭い！うへぇ、とミザリーが呻いて、私の肩へしがみつきます。私は埃をかぶった掃除用具を引っ張り出して、まずは一階から掃除をする事にしました。
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