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夕食を食べて身体を洗います。今日の夕食はビーフシチュー……ではなく、パンとスープでした。どうやら食糧の調達が、その日はたまたまできていなかったらしいのです。

「オリヴィア、ごめんね。ビーフシチュー……」

「フランキッスが謝る事じゃありませんよ。豪雨で馬車が壊れたのでしょう?自然現象ですもの、仕方ありませんよ」

「だからキスカだってば……ううん。それより、その……オリヴィア、ゼロ様の従者になるんでしょう?気を付けてね。ゼロ様、何かあるみたいなの……」

 ひどく不安げな顔で、あんまりに曖昧な情報を言うものですから、思わず笑ってしまいます。

「ちょっと、笑わないでよ!ともかく、本当に気を付けてね。旧館は古いから、崩れそうになってるところもあるって聞いたし」

「なら、どうして修復しないんです?」

「ゼロ様がいるからよ……旧館を直している間に、ゼロ様はこの城にいなきゃいけないじゃない」

 そんな、馬鹿らしい理由で?私はそう呆れると、フランキッスは青ざめた顔で続けます。

「あなたはゼロ様の噂を知らないから笑っていられるのよ。ゼロ様、夜な夜な人間をさらっては化け物に改造しているとか、殺してその血を啜るとか……お目付け役も定期的にいなくなるみたいだし。あたし、あの旧館に入っていく人は何回か見かけたけど、出ていく人を見た事はまったくないわ!」

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作者名:ミクミキ | 作者ホームページ:http  
作成日時:2021年5月1日 21時

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