39 ページ40
アメーリア様は穏やかに微笑んで、椅子に着席なされました。
「私の妹達、皆オリヴィアを自分の従者にしたいみたいなの。物珍しいかららしくて……私もあなたを私の従者にしたいわ。前の従者、音信不通になっちゃったから。姉妹であなたを取り合うのよ。私達、欲しがりだから」
おかしそうに笑うアメーリア様。
「ああ、噂をすれば」
と、後ろからドアの開く音がしました。開く音、というか、力強く蹴り飛ばすような。賊の侵入?びっくりして振り向くと、そこには複数人の女性がいました。髪型は様々ですが、全員黒髪黒目で、アメーリア様と同じ白の装束を着込んでいます。
ドアを蹴り飛ばしたのは、その女性のうち一人のようです。癖のあるくしゃくしゃの髪をショートカットにした、攻撃的な笑みを浮かべる気の強そうな女性。
「ドロシア、ドアを蹴るのはやめなさい。はしたないわ」
「へいへい、わーってるって……お、そいつがオリヴィア?マジかよ、ただのガキじゃねーか」
……会って早々なんともな物言いです。ドロシアと呼ばれた女性は見下したような顔をしました。
「あぁん、本当に小さいですわねぇ。こんな可愛い子、ドロシアお姉様にはもったいありませんわぁ。ジェシカにくださいましぃ」
ドロシア様の後ろからついてきていた女性の一人がそう言います。濃い化粧をしているその女性は間延びした口調で、私をじろじろと不躾に眺めます。
「……本当だね。ねえ、大丈夫なのかな。お仕事ちゃんとできる?」
寝癖のひどい髪をした女性が、眠たげな目をしてこちらを見ます。女性の背後にはアニタが付き添っています。アニタが付き添っているのなら、この女性がオーフェリア様なのでしょうか。
「仕事ができぬのならはじめから従者見習いとして招いてはおらぬだろうよ」
眼鏡をかけた女性はオーフェリア様にそう答えます。
3人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ