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身体を洗ってからはフランキッスと別れ、自室へ戻ります。時計を見ると、時刻はもう八時頃。

 ミザリーがいないから、少し寂しいかも。ミザリーの速さなら、今頃ヴォルフの町についているはず。多分、帰ってくるのは明日になるんじゃないでしょうか。ミザリーはあまり夜目が利きませんから。

 荷物もあらかた整理してしまっているし……私は机の上に置いていた趣味の道具を手に取り眺めます。

 私の趣味は蝶々の標本を作る事です。アゲハチョウの仲間、特にアオスジアゲハが私の好きな蝶々。手に取って眺めているのは、標本箱。青色をした蝶々だけを集めた、美しい宝石箱。アオスジアゲハ、ツバメシジミ、ルリツバメ、ルリタテハ……どれもこれも、華麗なる青色。

 うっとりとそれを眺め、やがて机に戻します。次に、標本を作るためのキットの中身を確認。針はピンと尖っています。布も綺麗で、糸のほつれもないですね。折り畳み式の虫網も壊れていません。よし、よし。

 次は何をしましょう……本棚には近付きたくありません。例の薄気味悪い日記のせいか、どうも近寄りがたいのです。

 持ってきた昆虫図鑑でも眺めていましょうか?それとも、絵を描いてみるのは?標本作りほどではないですが、蝶々の絵を描くのも好きなんです。描くとするのなら、今日はどの子にしようかしら。いえ、何も見ずに描くのも良いかも。じゃあミザリーを描いてみようかな。まあ、絵を描く時はだいたい彼を描いているけれど……。

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作者名:ミクミキ | 作者ホームページ:http  
作成日時:2021年5月1日 21時

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