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時間はあっという間に過ぎ去り、夕飯の時刻です。食堂には使用人がごった返していて、座れる席はなさそう。もうしばらくしてから来た方が良かったかな。
「あ、オリヴィア!こっちこっち、来てー。空いてるよー!」
と思っていると、先に食堂に来ていたらしいフランキッスに声をかけられました。見れば、ちょうど席が一つ空いているみたい。
「ありがとうございます、フランキッス」
「だーかーらー、キスカって呼んでよ!フランキッスって長ったらしいし、ダサいじゃん」
「キスカちゃん、ダメよそんな事を言ったら」
フランキッスがそうごちると、フランキッスの隣に座っていた女性がそう言います。フランキッスとどことなく似ている顔立ちをした、穏やかそうな女性でした。
女性はこちらの方を向いて、にっこり笑ってみせます。
「はじめまして。私はフランルージュ。フランキッスの姉です。ベルジュと呼んでください」
「はじめまして、オリヴィアと申します。よろしくお願いします、フランルージュさん」
すると、フランルージュさんはまたにっこりと笑います。けれどその笑みにはどこか、逆らいがたい圧がありました。
「ベルジュ、とお呼びください」
「はいベルジュさん」
「ちょっと!お姉ちゃんばかりずるいって!オリヴィア、あたしもキスカって呼んでよー!」
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