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「あ、キスカ。さっきベルジュが呼んでたよ、何かヘムロック様から命じられてるっぽい」

「そうなの?じゃあ行くね」

 フランキッスは言うなり、パイの残りを一気に口に押し込んで、慌てたように食堂を出ていきました。

 ヴィオラはパイをスプーンでつつきながら、軽くあくびをします。私はそれをぼんやり眺めながら、水を飲みます。

「あ、オリヴィア。ちょっとあんたに渡さないといけないのがあるんだけど」

「はい?」

 ヴィオラはがさごそとポケットを探って……一枚の紙切れを渡してきました。何でしょうか、これ。間取り図?

「シュヴァルツヴァルト城の間取り図だよ。魔法の地図で、ほら、自分が今いるところが分かるの。ここ食堂だけど、ほら、マークがついてるじゃん?」

「なるほど、これは便利ですね。ありがとうございます」

 ありがたい。自分の現在地にマークがつく、というのも分かりやすくて良いですね。……それにしても、この城は案外広くないみたいですね。外から見た時はかなり広そうと思っていたのですが。壁が分厚いのでしょうか?

 ただ唯一残念な点があるとするなら、旧館の情報が載っていない事でしょうか。どうやらこの間取り図はこの城の内部しか記載してないみたい。

「明日から仕事なんでしょ?頑張ってね〜」

「はい、ありがとうございます」

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作者名:ミクミキ | 作者ホームページ:http  
作成日時:2021年5月1日 21時

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