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目が覚めたのは六時頃でしょうか。窓から朝の日差しが降り注ぎます。私は軽く伸びをして、ハンカチーフで眠るミザリーをつついて起こします。ミザリーはまだ眠そうにしていましたが、やがてふわりと私の頭にとまりました。
キッチンの方へ向かうと、お婆さんが何か料理をしていらっしゃるところでした。
「おはようございます。奥様、私にお手伝いできる事はございませんか？」
「あら、オリヴィアちゃんおはよう。大丈夫よぉ、オリヴィアちゃんは席に座ってて、ほら。今日の朝ご飯はサラダとソーセージよぉ」
言われるままに座り、数分後に出てきたのはラプンツェルのサラダと大きなソーセージ、それからライ麦のパン。お婆さんはエールを、私は葡萄の果汁でそれをいただきます。
「そういえばオリヴィアちゃんは何をしにこの村へ来たの？」
「はい。私はローア家に仕えるために……」
ローア家の名を出すと、お婆さんは一瞬ぴくりと震えました。驚いたようで、目を丸く見開いています。……地元の人も、ローア家が苦手なようです。
「そんな……まだこんなに小さいってのに？オリヴィアちゃん、悪い事は言わないよ、ここからお逃げなさい。あいつらに関わっちゃろくな事がないんだから」
「……そうするわけにもいきません。ご心配してくださるのはありがたいのですが」
「あんたは分かってないんだ！」
断ろうとすると、お婆さんは突然声を張り上げました。目を大きく見開いていますが、そこにある感情は先ほどとはまったく異なっています。
突然の豹変に声を出せないでいると、お婆さんは震えながら続けました。
「私の娘は……昨日、都会に行ったって言ったろう？でもあれは、嘘なんだ。嘘なんだよ。娘はローア家に召仕えられて、そのまま帰ってきてないんだよ……五年なんかじゃない、もう二十年も経ってるんだよ……」
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