ある従者のありふれた結末 (ページ18)

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「やあ、待ってたよ」

　キャロヴェッタ家の皆様が宿泊なさっている部屋を訪れると、ロレッタ様がにっこりと微笑み、入るよう促してくださいました。部屋にはヴェルメイヌ様、ラヴェンデル様もいらっしゃいました。

　あら、あたしに紹介したいってのはこの女？空の色で、人間にしてはまあまあカワイイかもしれないけど、あたしほどじゃないわね。ミザリーはそう、鼻で笑うように小馬鹿に囁きます。あたしの空の色の方がずっと艶やかで美しいわ、とも。

「ちょっと、ミザリー！……失礼いたしました。ご用件とは？」

　あんまりに失礼な彼の言動は後で嗜めるとしましょう。私はロレッタ様に向き直り、質問します。

「何、連絡ができるよう互いの使い魔に顔を見せておいた方が良いと思ってね……やっぱり少し、心配で。だってあのローア家なんだろう？できる事は多くないだろうけど、何もしないでいるよりは良いかなって」

「そんな……もったいないお言葉です」

　ロレッタ様の使い魔、というのは、彼女の首もとに乗っている大きなフェレットでしょうか？先程のミザリーの非礼に不機嫌なようです。

　僕のご主人様の方がお前なんかよりずっと美人だよ、このオカマめ！はぁん、何を言ってくれるわけボーヤ、あたしのこの美しい羽が見えないの？そんなケバいの見たくないよ、鱗粉ぶわってしてる！そんなやり取りが繰り広げられています。

　そしてそんなやり取りを、赤っぽいブラウンのツバメと小さなラビットが見てます。二匹はそれぞれラヴェンデル様と、ヴェルメイヌ様の使い魔のようです。

「とりあえず……頑張ってね、私も応援するよ」

「ありがとうございます」