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目が覚めました。時刻は五時半。外は少しずつ日がのぼってきているようですが、それでもまだ暗いです。
昨日は何をしたっけ……キャロヴェッタ家の皆様が自室に戻られてからは、一人でお金の整理と、買ったものの確認をしてたんでしたっけ。
私は軽く伸びをしました。折角ですし、外の新鮮な空気を吸って目を覚ましてしまいましょう。冷えた空気を肺いっぱいに吸えば、頭もはっきりしそうです。二度寝?完璧な従者はそんな事をしませんので!
ランプを片手にドアを開けて、廊下を歩いていきます。私がいるのはホテルの三階。わざわざフロントから外へ出るのも面倒だったので、三階のテラスですっきりしようと思ったのです。
「……あれ?」
こんな時間だからテラスには誰もいないと思っていたのですが、どなたか先客がいらっしゃるようです。ランプの明かりがぼんやりと見えていますが、その持ち主の容貌は分かりません。
と、ランプが動きました。どうやら、ランプの持ち主が私に気付いたみたいです。
「おはよう、ございます」
ともかく一度挨拶してみます。するとランプの持ち主らしき人から、挨拶が帰ってきました。
「おはようございます。ごめんなさい、少しびっくりしちゃったの。こんな時間だから、誰も来ないと思ってて……」
「いえ、こちらこそ驚かせて申し訳ありません」
声の具合から察するに、どうやら若い女性みたいです。私はテラスに近付いて、二つあったソファのうち一つ……女性が座っていたソファとは別のソファに座りました。
距離が近付いた事で、その女性の容貌が分かりました。
とても綺麗な人です。宝石に例えるならサファイアとか、あるいはラピスラズリでしょうか?深い青色の髪が、光を反射してきらめいています。目はまるで夜空の星屑を閉じ込めたかのよう。
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