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「ううむ、ローア家かぁ……」
ロレッタ様は少し……複雑な表情をしていらっしゃいました。私に何か言いたいけれど、言っても良いのか、迷っていらっしゃるようです。
「大丈夫ですよ。ローア家の方には失礼ですけど、私も実はローア家がちょっと怖くて……ロレッタ様、ラヴェンデル様、ローア家ってどんなところなのか、ご存知ですか?」
「ローア家……ロレッタ姉様、確か八年生に……」
ラヴェンデル様は何か心当たりがあるようで、ロレッタ様を見つめます。ロレッタ様はまた少し唸ると、やがて話し始めました。
「ローア家に関する情報は実はかなり少ないんだ……そもそもあの家は元々閉鎖的でね。七人の令嬢がいるのに、コニキュラタに通わせているのはそのうちのたった一人だけなんだ。八年生のガリオンという人なんだけど……」
そこでロレッタ様は首を横に振ってみせました。そして軽く肩をすくめてみせます。
「あまり関わりがないから分からないや。少なくとも何かひどい騒ぎを起こした事はないみたいだけど……でも、彼女には失礼だけど、どこか不気味だったな。この不気味っていうのが、ローア家の印象だ。閉鎖的で、何をしているか分からない」
「そう、ですか」
不気味。不気味。不気味、かぁ。口の中でその言葉を転がしてみました。何だか、やな感じ。私は何事もなくローア家にお仕えできるのでしょうか?そんな事を思ってしまいます。
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