【ハイキュー】最後まで笑って【青葉城西】

涙 24 ページ26

*及川side



大切なマネージャーが最近風邪で休んでる。
大会があったから疲れが溜まってたのかもね。


体育館には既に用意されたネットと小さな人影。


1週間ぶりに見た大好きな人の顔。




「A！？？」



「風邪大丈夫か？ 無理すんなよ」



「良かった！ やっと…学校来た」



Aは微かに微笑んでポケットから何かを取り出す。

意味がわからない。

なにこれ…なんかの冗談なんでしょ？



「え？何これ？」


「退部届け」



「いやいや！意味わかんないし！」



「こんな冗談笑えねぇぞ」



皆の焦りがとてもわかる。


Aがこんなの書くはずない…。


笑って…冗談って言ってよ…。




「冗談じゃないよ…。



ていうかさ…飽きちゃったんだよね。バレー部のマネージャー。


新マネ入って来たし…私いらなくない？




どうせ…白鳥沢には勝てないんでしょ？



烏野にも負けちゃうかもね。」




Aらしくない言葉。


バレーに…Aがバレーに飽きるはずがない。


誰よりも…選手じゃないのにバレーが大好きで…俺らをずっと支えてきてくれた。



努力家のAが誰かの努力を否定するとこなんて言わない。



「A…まだ熱あるんじゃない？」



「A先輩…？」




自分が何言ってるのかわかってるの…？



師走ちゃん泣きそうじゃん…。




「だから！！もう飽きたっていってんの！！



全国行けるかだってわからない！！そんなの支えていられるわけがない！！」




「A先輩…っ！」



Aは何かを堪えるように叫んだ。



師走ちゃんに退部届けを押しつける。




走って体育館をでていくAの腕を掴む。




「Aっ！！」



今離したら戻ってこない気がして…



伝えてない言葉を言わないと…






「離して…っ！！」




Aの瞳が大きく揺れ…涙が零れ落ちた。




零れ落ちた涙に力が緩み…Aは走って行ってしまった。




今…泣いてた？



どうして？なんで？




いつも笑顔だったAが…





「及川…っ！！Aは！？」



「逃げられた…」



一軍メンバーと師走ちゃんが走ってくる。



「…Aさ……泣いてたんだよ…」



この前もそうだった…。



1人でいつも抱え込んじゃってさ…。



「また女子にいじめられたとか？」



「それはないです。もしそうなら…師走のが1年なので狙われやすいです。」



絶対に迎えに行くから待っててよ…。


まだ伝えてないことあるんだから。

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