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「…んーーーーーーー」


姿見の前でにらめっこをすること、かれこれ2時間。

今日は『デート』の当日なのに、俺は未だに服装が決めきれていない。


Aに合わせて古着コーデにしよかな…
あ、おにゅーのセットアップ…バイクやから、フレアパンツはダメや
アクセサリーってどんくらい…

そんなことをうだうだ考えて、やっとコーデが決まっても初めから組み立て直し。
まだヘアセットもせんとあかんのにって焦りも出て来て、俺は泣きそうになりながら携帯に手を伸ばした。



『…康二?』

「A〜…、」

『どしたん?…なに、なんかグズグズ言うてる笑』


もう本人に聞くしかないやろって。
ベッドの散乱した服の上に寝っ転がって、携帯に耳を寄せる。……あ、やっぱ声聞くとホッするなぁ。


「服…」

『服?』

「服、決まらへん…」

『えー?なんでもええのに。あ、暖かくしや?』


楽しそうな声が耳をくすぐる。
他人事やと思って!!


「…なんでも、は嫌や。でも、なんか考えすぎてあたまこんがらがって来てもうた」

『え、そんな考えてくれてんの?』

「ん、…デートやもん」


言ってて自分で恥ずかしくなる。
火照る頬を冷たいシーツで冷ましていると、でっっかいため息が聞こえてきた。


「びっ、くりしたぁ!!なんやねん!」

『…いや、腹減っただけ。なぁ康二?』

「ん?」

『誕プレにあげたカーディガン、まだ持っとる?』


クローゼットに目を向ける。
うん、ある。若草色の大きめのやつな。俺の超一軍


「あるよ!お気にやもん!」

『なら、それ着てきて?あ、短めのコートも持ってたよな?それも上から着てき』

「わかったぁ!」

『下は、あれ。黒のスキニー持ってたやろ?それで』

「おっけー!」

『いー返事笑、じゃあ、また後でな』



なんや、すんなり決まった。
こんなことならもっと早くヘルプ出せば良かったわぁ〜なんて考えながら、Aに指定された服に着替える。


髪は…ヘルメット被るし、WAX固めにして
アクセはネックレスだけでええかな〜


静電気で少し乱れた髪を直しながら姿見に向き合うと、自然と頬が緩んだ。


「…へへ、全身Aコーデやん」



Aにもらったカーディガンが主役の、全身Aセレクトのコーディネート。
お気に入りでつけてるネックレスも、思えばAと出掛けた時に買ったものだった。


…なんや、Aに抱きしめられとるみたい
こんなことでときめくんだから、俺って相当燃費良いよな

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だっちゃ(プロフ) - すがさん» ありがとうございます😊励みになります! (11月29日 1時) (レス) @page8 id: 69c0d47fe1 (このIDを非表示/違反報告)
すが(プロフ) - ワ、、もうすでに好きです、、、更新お待ちしております!! (10月4日 13時) (レス) @page5 id: eb76df11cd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:だっちゃ | 作成日時:2023年10月1日 18時

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