検索窓
今日:3 hit、昨日:9 hit、合計:17,656 hit

3 ページ3






「康二!篠田は?」

「ジャージ借りに行ったあ」

「遅ない?後5分でホームルーム始まんで」


そう指摘され時計を見れば、あいつが出て行ってから20分が経過していた。


「ほんまやん…ちょ、探してくる」

「おー」


遅刻した時は言い訳しといたるわ〜と頼もしい言葉を背中に受け、一つ上の階へ駆け上がった。










「なぁなぁ、今日の昼休みそっち行ってええ?」


曲がり角を曲がる寸前に聞こえた、甘ったるい媚びた声。



急いで急ブレーキをかけそっと柱から顔だけ出すと、
案の定廊下の窓に凭れるようにして立つAと、見覚えのある顔の女が2人並んでいた。




「昼なぁ…俺もう早退してるかも」

「え!なんでよぉ、お昼一緒に食べよ?」

「だって今日頭痛いんやもん、耐えられへん」

「月曜の朝いっつもそれやん、もう」



到底頭痛のしてるようには見えないヘラヘラした顔で、
拗ねた顔になった女の毛先をクルクルといじるA。


傍から見ればカップルにしか見えない、
登場人物が健全やったらな?



「Aが早退するなら未来もするぅ」

「お、しちゃう?」

「したら、うちくる?」

「え、いいの?」

「あかん」

「いてぇ!!」



気の抜けた後頭部を思い切りひっぱたくと、患部を抑えながらパッと此方に振り向いた。


「あ、康二。迎えきてくれたん?」

「お前もう5分前やで?」

「嘘!?」



一番近い教室の掛け時計を見て、Aがヤバい!と俺の腕を引っ張った。


「ちょちょちょ、俺トイレで着替えるから担任に上手く言っといてくれへん?」

「腹壊してますって?」

「もうちょいマイルドに!」



腹痛にマイルドもクソもあるかいな。


転けそうになりながら階段を一緒に駆け下りていると、
頭上から高い声が降ってきた。

4→←2



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (64 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
232人がお気に入り
設定タグ:男主 , 向井康二 , snowman
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

だっちゃ(プロフ) - すがさん» ありがとうございます😊励みになります! (11月29日 1時) (レス) @page8 id: 69c0d47fe1 (このIDを非表示/違反報告)
すが(プロフ) - ワ、、もうすでに好きです、、、更新お待ちしております!! (10月4日 13時) (レス) @page5 id: eb76df11cd (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:だっちゃ | 作成日時:2023年10月1日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。