#134 ページ34
「っ、あ」
「…はあ、行けよ。
もう二度とAに絡むなよ」
こくこくと勢いよく頷いて、そのままコケそうになりながら逃げて行った。可哀想に、トラウマになったな。
パチ切れ佐久間さん超怖ぇもん。
小さくなった背中を見送り振り向くと、さっきの死んだ顔から一転、佐久間さんはニコニコと朗らかないつもの表情になっていた。
「佐久間さん、あざっした」
「んー？いーよいーよ！
いやしっかし、ヤバいねアイツ！近年稀に見るヤバさ！」
「マジ困ってたんで、助かりました。本当にありがとうございます。
……本当はオレがビシッと言うべきなんすけど、」
「それはそう。
でも、Aって叱るの苦手じゃん？
さっきは『優しいから』って言ったけど、お前興味失せたらとことん失せるタイプだし。」
その通り。
一回興味が失せたら、そいつがどうなろうと気にならない。だから、叱ってあげた佐久間さんの方が俺より何百倍も優しい。
俺は、アイツがあのまま成長してろくでもない大人になろうと、最後まで何も言わずに傍観するだろうから。
「…よく分かりましたね」
「何年お前のこと見てると思ってんの！」
可愛い可愛い後輩なんだからさ、と少し背伸びして優しく頭を撫でられた。
自分でも、全然懐かない嫌な後輩だと思ってる。
今年で十何年来の付き合いになるのに、敬語は硬いし名前呼びも「佐久間さん」
なのに、可愛がってくれるんだもんなあ。
こんなコミュ障な大男も、他の後輩と同じように扱ってくれる。佐久間さんに助けられるの、何回目だろ。
俺より全然小柄なのに頼もしくて、カッコイイ先輩
「アニキ」
「へ？」
「アニキって呼ぶっす。今日から」
「今更！？やだよ、上田くんと同じじゃん！！」
「俺の中での最高敬称ですよ」
「ヤダヤダ！キャラじゃないー！！
さっくんにしてよ！」
「キャラですよ、アニキ似合うっす」
「だからヤダって！！さっくんにして！？」
竜也くんは嬉しそうにするのに、佐久間さんには上手くハマらなかった。おかしいな。
さっくんって呼べ！！の剣幕に負けて、結局呼び方はさっくんに強制的に決められた。
「さっくん…先輩」
「先輩いらない。でも、可愛いねそれ」
「さっくん先輩？」
「うん」
「じゃあ、慣れるまでさっくん先輩」
「慣れたらさっくんって呼んでね」
「うす」
さっくん、さっくん
練習で呟くと、可愛い！って言いながら今度は犬みたいに頭を撫でられた。
慣れないけど、結構嬉しいかもしれない。
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だっちゃ(プロフ) - ももたさん» 感想ありがとうございます！励みになります！ (9月25日 23時) (
レス) id: 69c0d47fe1 (このIDを非表示/違反報告)
ももた - 奥平くんめっちゃよきでした！ありがとうございました😭😭 (9月25日 19時) (レス) @page45 id: b1598b450a (このIDを非表示/違反報告)
だっちゃ(プロフ) - ちーもさん» 了解です！リクエストありがとうございます😊 (9月25日 0時) (レス) @page45 id: 69c0d47fe1 (このIDを非表示/違反報告)
ちーも - 主人公くんがメンバーにめっちゃ冷たくするドッキリ書いてほしいです！ (9月24日 23時) (レス) id: b1598b450a (このIDを非表示/違反報告)
だっちゃ(プロフ) - ももたさん» 奥平大兼くんですかね？まだまだ勉強不足なので、ちゃんと下調べして絡ませ方探してみます！！遅くなってしまうかもです、すみません😔 (9月18日 11時) (レス) @page38 id: 69c0d47fe1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：だっちゃ | 作成日時：2023年8月28日 19時
