#114 牧の倒し方 ページ14
「牧ー」
「なにー？」
「上田くんが牧の倒し方あげてる」
「嘘！なになに」
ソファに座る大我のスマホを、後ろから覗き込む。
やっと自分の番が来た、待ち望んでたんですよアニキ
「めっちゃ最適解…」
「え、牧そこまで言うこと聞いちゃうの？」
「聞くかも」
「こわぁ」
結構まじ。
アニキに動くなって言われたら動かないし、なんなら自分で下顎殴る所までやっちゃうかも。
そこまでは、空気を読んで流石に口には出さなかった。
なんて話をしてから1週間、チャンスはやって来た。
収録終わりに一人でブラブラ歩いていると、遠くに見えるのは見慣れた背中。ちょっと控えめに名前を呼んだ。
「アニキ！」
「うお、…牧か」
「お久しぶりです！」
俺と違って、アニキはマネージャーといた。
2人でコーヒーを飲んでいる辺り、急いでいるわけじゃないらしい。
「撮影ですか？」
「うん、雑誌のな」
「買いますね！」
「いーよ別に」
ウザそうな顔をされたけど、愛情の裏返しって分かってるから頬が緩んでしまう。
マネージャーさんと顔を見合せてニマニマしていたら、怪訝な顔をしていたアニキが「そうだ」と顔を上げた。
「なんですか、俺のこと倒します？」
「予測すんなよ、きもいな」
「またまた〜、マネさん撮影おなしゃす！」
「はあい」
撮るのは4枚。
最初は仲良く肩組んでピース、嬉しい。
次はアニキが動くなって命令するところ。
はい、動きません。メンチが鋭くてびっくりした。
次はアニキが俺の顎にアッパーを入れるんだけど、それを制して自分で入れた。
「えっ、きも」
「自分のケツは自分で拭くんで」
「拭くも何も…見て、トリハダ」
「すべすべですよ」
差し出された腕を撫でたら思い切り殴られた。
最後は俺がアニキに持ち上げられるところ。
アニキ俺より小さいし細いけど、難なく持ち上げちゃうんですよね。そこにシビれる憧れる。
「いい画取れましたー？」
「バッチリでーす」
「よっしゃあ！アニキ、降ろしていいですよ」
「ん、重い」
「いたっ！！もっと優しく！」
ドサッとそのまま降ろされる。
でも見下ろす顔が格好良かったから許した。
「俺、アニキ倒すチャレンジしていいですか？」
「…来い」
「アッそんなマジになんないでぇ？」
そんな猛獣と戦うみたいに構えんでも。
申し訳程度に小突くと思い切り尻を蹴られた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 698人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
だっちゃ(プロフ) - ももたさん» 感想ありがとうございます！励みになります！ (9月25日 23時) (
レス) id: 69c0d47fe1 (このIDを非表示/違反報告)
ももた - 奥平くんめっちゃよきでした！ありがとうございました😭😭 (9月25日 19時) (レス) @page45 id: b1598b450a (このIDを非表示/違反報告)
だっちゃ(プロフ) - ちーもさん» 了解です！リクエストありがとうございます😊 (9月25日 0時) (レス) @page45 id: 69c0d47fe1 (このIDを非表示/違反報告)
ちーも - 主人公くんがメンバーにめっちゃ冷たくするドッキリ書いてほしいです！ (9月24日 23時) (レス) id: b1598b450a (このIDを非表示/違反報告)
だっちゃ(プロフ) - ももたさん» 奥平大兼くんですかね？まだまだ勉強不足なので、ちゃんと下調べして絡ませ方探してみます！！遅くなってしまうかもです、すみません😔 (9月18日 11時) (レス) @page38 id: 69c0d47fe1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：だっちゃ | 作成日時：2023年8月28日 19時
