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二月十七日 御進講初日
岩本邸 真伊子の部屋
使用人「お嬢様、今日の御召し物、とても素敵で御座います。」
ru「うふふ…有難う。わたくしもとても気に入ってますのよ。」
生成色のワンピースには白いレースの襟が付いて有り、襟の下には同じく白のリボンタイが付いて居た。
腰周りは絞って有り、真伊子の細いウエストを強調したデザインであった。
裾は膝下五寸程の長さで、フレアスカートと言って朝顔の様な形状になって居た。
歩く度に波の様に靡いて其れは其れは美しく、又、動き易さも兼ねて居た。
fk 「真伊子、御支度は済みましたの?」
iw「御進講初日から遅れるのでは無いぞ!」
ru「はい。お父様、お母様、支度は出来ておりますわ。」
fk 「指輪もきちんと嵌めたのですか?」
ru「はい、お母様。」
真伊子はそう言って左手の甲側を照之進と辰子に見せた。
薬指には「月読の涙」が美しく輝いて居た。
iw「しっかりと学んで来るのだぞ。」
fk 「呉々も粗相の無い様にするのですよ。」
ru「はい。お父様、お母様。」
使用人「お嬢様、亮平坊ちゃまがお迎えにお越しです。」
ru「はい、只今参ります。」
abーside
いよいよ今日から真伊子のお妃教育ー御進講が始まる。
僕は大学の後期試験を終え、卒業式を残して休みに入ったので、御進講の送迎を買って出た。
真伊子と過ごせる最後の時間…
寂しさと切なさは未だ消えはしないが、僕なりに真伊子を殿下の元へと送り出す準備だと思って居る。
ab「お早う御座います、亮平です。御進講のお迎えに参りました。」
使用人「亮平坊ちゃま、お早う御座います。お迎え有難う御座います。只今お嬢様をお呼び致しますので、お待ち下さい。」
支度は既に出来て居たのか、真伊子は程無く玄関へ来た。
ru「お兄様、お待たせしました。」
…あぁ…又だ…真伊子は何時も僕を驚かせる…
ru「…お兄様…?」
又一段と美しくなって、上品で清楚な装いは正に妃殿下に相応しい…
ab「…あぁ…真伊子…済まない…少しぼんやりして仕舞って…」
毎回玄関にやって来る真伊子に僕は又心を奪われるのだ…
iw「亮平君、お早う。貴重な休みだと言うのに済まないね…」
fk 「亮平さん、お早う御座います。宜しくお願いしますね。」
ab「おじ様、おば様、お早う御座います。
真伊子…否、真伊子様をお預かりさせて頂きます。」
ru「嫌ですわ、お兄様…そんな事仰らないで…」
iw「…亮平君…宜しくお願いします!」
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琥太郎(プロフ) - 瑠羽さん» 遅くなってしまいましたが、感想送って頂きありがとうございます。初めて感想頂けて嬉しく思います。大正時代をイメージしている為、漢字が多く読み辛いかと思いますが、最後までお付き合い下さい。宜しくお願いします。 (2022年6月3日 22時) (レス) id: 33658090bc (このIDを非表示/違反報告)
瑠羽 - 百年の恋、楽しく読んでおります!古典的な物語はあまりお目にかからないので嬉しく一つ一つ噛み締めながら読んでおります♪長編は大変かと思いますが執筆頑張ってください!!応援しております♪ (2022年5月19日 10時) (レス) id: a4808147f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:琥太 | 作成日時:2022年5月1日 11時