デビュタント〜女神降臨〜ー1 ページ41
岩本邸 九月
使用人「真伊子お嬢様、仕立屋の北川様と、靴屋の藤
嶋様がお見えで御座います。」
ru「はい、只今参ります。」
使用人「お嬢様、ドレスと靴が仕立て上がった様で御
座いますよ。どの様な仕上がりか、楽しみで
御座いますね！」
ru「えぇ、仮縫いの時に試着しましたけど、とても素
敵でしたのよ！」
ru「お父様、お母様、真伊子です。お待たせ致しまし
た。」
iw「…やっと来たか…真伊子、入りなさい。」
fk「真伊子、北川様と藤嶋様にご挨拶を…」
ru「北川様、藤嶋様、ご機嫌よう。
此の度はお忙しい中、有難う御座いました。」
北川、藤嶋「真伊子お嬢様、ご機嫌麗しゅう御座いま
す。」
北川「お嬢様のドレスを作らせて頂き、身に余る幸せ
に御座います。」
藤嶋「私共もお嬢様の靴を作らせて頂き、末代までの
栄誉で御座います。」
iw「其れでは早速試着させて頂きなさい。」
fk「…旦那様、そう急かさないで下さい(笑)。」
ru「わたくしも楽しみでしたわ。
では、試着させて頂きます。」
使用人「お嬢様、どうぞ此方へ…」
kj「御免下さい！」
iw「おー、やっと来たか！」
sk「ご機嫌よう、皆さま。」
ab「今日は。お邪魔します。」
fk「まぁ、いらっしゃい。今丁度真伊子がドレスの試
着に向かった処ですのよ。」
kj「真伊子ちゃんの洋装は見た事有るけど、ドレスは
初めて見るなぁ…似合うんやろなぁ…」
sk「きっと誰よりお似合いですわよ。ねぇ、亮平さん
…？」
ab「…え？…あ、はい…」
…このデビュタントで両陛下に婚約を承諾して頂き、いよいよ結婚へ向けて準備が始まるのか…
真伊子…とうとう君は僕の手の届かない処へと行って仕舞うのだね…
そう思うと、君と二人で出掛けられると楽しみにしていたデビュタントも、近付くにつれ憂いも増して仕舞うよ…
使用人「向井小路家の皆様、いらっしゃいませ。
皆様、お待たせ致しました。
真伊子お嬢様のお支度が整いました。
…お嬢様、此方へどうぞ。」
…天女か…女神か…
息をすることすら忘れる程に、皆が真伊子に釘付けになっていた…美し過ぎて誰も言葉にならない…
日本の鹿鳴館で流行しているドレスとはまた違う、今から百年以上前の仏国の王妃マリー・アントワネットを彷彿とさせる様な豪華絢爛な…真伊子以外には誰にも着こなせないドレスだった…
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作者名：琥太 | 作成日時：2020年10月14日 10時
