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舘宮邸 百合園
ru「殿下、百合園に鬼灯や朝顔をお植えして本当に大
丈夫ですの?」
mm「此処が私達の思い出の場所だから、此処に植え
たいのだ。」
真伊子は蓮仁との口付けを思い出し、頬を赤らめた。
ru「では、残りの鬼灯と朝顔は我が家の薔薇園に植え
ますわ…」
mm「そうしよう!」
蓮仁は美しく微笑んだ。
デビュタントに向けての練習の後、昨日二人で行った鬼灯市と朝顔市で買った鬼灯と朝顔を百合園に植え替えした。
思い出の品は思い出の場所へ植え、結婚後も二人で愛でたいと考えたからだ。
ru「…殿下はお忙しいご身分ですのに、わたくしにお
付き合い頂いて、本当に申し訳ありません…
今日も、土に塗れながら…」
蓮仁はまた微笑みながら
mm「…私はね、真伊子と一緒に居るのがとても楽し
くて仕方がないのだ。
来年の二月で私は成人する。そうすれば、成年
皇族として公務に就かなければならない。
其れ迄に真伊子と沢山の思い出を作りたいと思
っているのだ。良いだろう?」
ru「…殿下…」
輝くばかりの魅力的な笑顔でその様な事を言われたら此れ程幸せな事は無い…真伊子はそう思った。
ru「わたくしもお手伝い致しますわ!」
mm「君は手伝わなくても大丈夫だよ!」
それでも嬉しそうに朝顔を手に持ち、此方へ運ぼうとしている真伊子が蓮仁は愛おしくて仕方が無かった。
…ふと着物の袖がずれ、手首に那賀子が扇子で付けた赤みが見え、言い様の無い怒りが込み上げて来た。
何人足りとも、真伊子を傷付ける者を許す事は出来ないと思った。
鬼灯と朝顔を植えるのを終え、汗と土に塗れた蓮仁の顔を真伊子は自分のハンカチを濡らして拭いた。
mm「綺麗なハンカチなのに済まない…」
ru「いいえ、ハンカチは使う物ですわよ。
それに、お暑い中御自ら植え替えしていらっしゃ
るのですもの…」
mm「真伊子、有難う…」
汗に塗れても、土に塗れても、蓮仁の顔は美しく、眩しかった…
mm「この景色をずっと一緒に見ていよう…」
ru「…はい…」
夕陽が輝く百合園で二人はより一層深まってゆく愛と絆を感じながら唇を重ねた…
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作者名:琥太 | 作成日時:2020年10月14日 10時