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mmーside
mm「よし、この鬼灯にしよう！
真伊子は決まったか？」
ru「…はい、蓮仁様。ご覧下さい！この鬼灯に…
…きゃっ！」
突然真伊子が声を上げた…
人混みに紛れて誰かが真伊子を突き飛ばした！
mm「危ない！！」
私が鬼灯を手にしたままよろける真伊子を抱き止めた
…一体誰が…
mm「真伊子、大丈夫か？」
ru「…えぇ…蓮仁様こそ、お怪我は？」
mm「私は大丈夫だ。」
よくよく考えてみると、普通の者なら真伊子の美しさや気品に圧倒され、触れる事すら躊躇われる。
それがどうだ…いくら細身とは言え、日々のダンスの鍛錬で体幹の良い真伊子が転びそうになる程突き飛ばすとは…
…何故真伊子が狙われた…？
mm「真伊子、今日はもう帰ろう…」
そう言うと、真伊子の大きな瞳は微かに揺れた…
ru「…では、この少し潰れてしまった鬼灯を買って帰
りましょう。」
mm「別に其れで無くとも…彼方の綺麗な鬼灯にしよ
う…」
ru「…蓮仁様は何も分かっていらっしゃらないのです
わね…」
mm「…何が？」
ru「…この鬼灯を見る度、蓮仁様に助けて頂いた事を
思い出すのですよ…」
mm「…真伊子…」
ru「此方の潰れた鬼灯と、わたくしを助ける為に蓮仁
様が放り投げた所為で倒れている彼方の鬼灯を頂
きます。」
mm「…そうか…分かった…」
真伊子の優しさや思い遣りに心を打たれ、私は一瞬目の前が歪んだ…
有ろう事か涙目になった…
…そんなにも私の事を…
鬼灯市を後にした私達は、近くの伝通院の朝顔市へ行く事にした。
危険な目に会うのは鬼灯市だけで終わったと思ったからである…
…もう、何も起こらないだろうと思ったが、侍従と御者しか供の者を連れて来なかった為、朝顔市にはこの二人も連れ、真伊子の警護を万全にした…
私が真伊子の隣で手を取り、真伊子と私の前を侍従が、後ろを御者が護った。
朝顔市には沢山の種類の朝顔が有り、私や真伊子を楽しませた。
ru「まぁ！この朝顔、素敵ですわ！」
真伊子が珍しい「吹雪」と呼ばれる朝顔を取ろうと手を伸ばした時…
ペシッ
ru「痛っ！」
突然真伊子の手が扇子で叩かれた。
mm「何をする！無礼な！！」
私が真伊子と扇子の主の間に入り込み真伊子を庇う。
真伊子の白く美しい手は見る見るうちに赤くなった…
扇子の主を見ると、
「あら、殿下ではありませんか！
ご機嫌よう。」
mm「…那賀子！お前か！！」
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作者名：琥太 | 作成日時：2020年10月14日 10時
