黒き瞳に白き華～百年の恋～ (ページ28)

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亮平が出て行った後岩本邸大広間

iw「皆も気付いたと思うが、蓮仁殿下は人格者と言わ
　れている舘宮殿下の御子息君だけあって、お人柄
　も申し分無く、我々とも分け隔て無く対等に接して下
　さる。
　加えて成績は学習院一と言われている。
　幼い頃から海外へ行っているだけあって、語学も
　堪能。運動も得意で背も高く、何より歌舞伎役者
　も敵わぬあの美男子振り…
　そして、真伊子を大切に想って下さっている…
　皇室と言う事を抜きにしろ、お断りする理由が見
　当たらない。」

kj「…そんな…亮平が可哀想や…」

fk「向井小路家に嫁げば、会いたい時に何時でも会え
　ると思っておりましたのに、皇室へ嫁ぐとなると
　そう簡単には会えなくなってしまいますわ…」

sk「…辰子さん、泣かないで…」

kj「媒酌人には公爵家辺りを入れて来るのやろな…」

iw「島田家、前川家辺りが妥当だろう…」

kj「男爵家では太刀打ち出来ひん名家やな…」

iw「向井小路家には本当に申し訳無いのだが、真伊子
　の気持ちを考慮した上で、殿下との婚姻を前向き
　に考えようと思う。
　この後、殿下と話し合い、宮内庁から正式な知ら
　せが有り次第、康達の方へは連絡する。
　何かあったら、また相談に乗ってくれ。」

kj「…残念やけど、照兄の熟慮した上での事やろ？
真伊子ちゃんの幸せを一番に願っての事や…
向井小路家も岩本家の家族として協力さしてもら
うから、何でも言うてや。」

iw「康達、済まない…亮平君も…」