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ー3 ページ16

mmーside

mm「…では、そろそろ帰りますか…」

ru「…はい…とても美味しかったですわ。」




ru「…それに…」

mm「それに?」



ru「…とても楽しかったですわ。」

mm「私もです。」



mm「またお誘いします。」

ru「…はい…」


本当は帰したくなど無かった。

この楽しい時間が何時迄も続いて欲しかった。

真伊子と離れるのが辛い…

真伊子とずっと一緒に居たい…

しかし無情にも馬車は岩本の屋敷へ到着した。

ru「思い掛けず屋敷迄送って頂きまして、ありがとう
  ございました。
  …それでは、失礼致します…ご機嫌…」

真伊子がまだ礼を述べている途中なのに、私は堪らず真伊子の手を引きこちらに抱き寄せた。

ru「…殿…下…」

mm「………」



菊の御紋の御印を付けた馬車が、敷地内へと入り、玄関前へと付けた為、使用人や家の者までもが玄関の外へと出て来た。

私は真伊子を離さねばならなくなり、仕方無しに真伊子の手を取り、馬車から降ろした。

見渡すと、立派な玄関、広い屋敷、広い庭と、流石今を時めく陸軍大尉の邸宅だ。

iw「これは、蓮仁殿下。
  わざわざ私共の娘をお送り頂きまして、忝く存じ
  ます。」

mm「岩本殿、真伊子殿を連れ回し、申し訳ありませ
  んでした。」

iw「…いいえ、何分礼儀を弁えない娘故、失礼があっ
  たかと…此方こそ大変申し訳ございませんでした
  …」

mm「岩本殿、どうか頭をお上げ下さい。
  真伊子殿は流石、礼儀も弁えてあり、躾も教養
  も行き届いた素晴らしい御息女です。」

iw「…恐れ入ります…」

mm「それでは、突然の訪問、失礼致しました。」

iw「…そんな…どうぞ、むさ苦しい所ですが、中でお
  茶でもお召し上がり下さい…」

mm「…いや、私も何分大学からの帰り道ですので…
  本日はもう帰らねば…(笑)。」

iw「そう仰られると、お引き止め致しかねます…」

mm「…では、失礼致します。
  真伊子殿、また。」

ru「…はい、今日はありがとうございました…」

mm「ご機嫌よう。」

ru「ご機嫌よう。」

iwfk 「お気を付けて。」




岩本家はとても温かい家庭なのだな…

真伊子が素直で優しい娘に育ったのも分かる様な気がする…

…しかし、泣く子も黙るあの岩本照之進殿が甘いもの好きとは…人は見掛けに寄らないな…

…そして、この私と似ている…か…(笑)

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作者名:琥太 | 作成日時:2020年10月14日 10時

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