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abーside

mm「…君の名は真伊子というのか…」

ru「…はい…」



二人の唯ならぬ雰囲気に、

ab「真伊子、馬車に戻るぞ!」

僕は真伊子の手を無理矢理引いた。

mm「待って!先程の…此処での私の言葉に答えて欲
  しい…」

…此処で一体何があったのだ…

この男に嫉妬やら怒りやらが込み上げて来るのが自分でも分かった…

立ち止まった真伊子は言った。

ru「…ずっと一緒に見て下さいますか?…」

何を言っているのか全く分からなかったが、"ずっと"
や"一緒"と言う言葉があの男に向けられているのかと思うと、それが気に入らなかった。

男は

mm「…そうか…勿論。」

そう言って嬉しそうに笑った。

すると、僕達の背後から

「殿下!!」

………?

「殿下、お探ししました!」

…殿下…と言う事は…

男は慣れた様に、侍従らしき者に右手を前に出し制止させた。

その姿は正にこの国の、我々華族のさらに頂上に君臨する皇族の姿に他ならなかった…

僕と真伊子はその場に跪き直ちに頭を垂れた。

すると、その男…もとい、殿下は真伊子の両手を掴み立ち上がらせた。

mm「君も立って下さい。」

僕も渋々立ち上がった。

真伊子の方を見ると、心無しか頬を紅らめながら恐縮している様だった。

mm「今日はお忍びで来たのです。礼は無用です。」

そう言って、あろう事か真伊子の浴衣の裾の埃を自らの手で払っていた。

ru「殿下、お止め下さい…」

真伊子は更にも増して恐縮していた。

その間も、殿下は真伊子の手を離さずに握っていた。

僕はそれを見て自分の拳をきつく握った。


…僕は思考回路を巡らせた。

“殿下“と呼ばれていたので、“皇太子"では無いだろう…

…とすると、僕位の歳で見目麗しい皇族と言えば……恐らく舘宮家の蓮仁様辺りか…?

…かなり不味い展開になったな…

…あの様子では、殿下はかなり真伊子を気に入っている…まぁ、真伊子の美しさを見たら誰でも心奪われるに違いないが…

その為にこの十五年、ずっと真伊子を意図的に人前から隠して来たと言うのに…

よりによって皇族とは厄介な相手に見つかってしまった…

僕は何時もの冷静さをすっかり無くし、一刻も早く真伊子と殿下を引き離す事ばかりを考えていた…

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作者名:琥太 | 作成日時:2020年10月14日 10時

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