93本目 ページ47
「女神」
「まふまふさん、そんなに泣かないでくださいよ」
私は今日、この宮を出ていく。
宮の門の前で、私、うらたさん、坂田さん、かすみさんが荷物を抱えて立ち、そらるさんとまふまふさんはお見送りのために来てくれた。
「女神、もっとここにいていいんだよ。
あと1ヶ月でも半年でも、1年でも……なんならずっと」
「おいまふ。そういうわけにはいかないだろ」
「そうですよ！！大丈夫です。お手紙書きますから」
「女神ー！！」
「わぁ、ちょっ！」
寂しがっていたまふまふさんが突然抱きついてきた。
「女神女神女神！！」
「は、はい！」
「絶対お手紙書いてね。遊びに来てね。また絶対会いに来てね！」
「……会いに来ても、いいんですか？」
「当たり前だろ」
ぽかん、としている私の頭に手を置いて優しい微笑みを浮かべているそらるさんがいた。
その瞳は少しだけ寂しそうで、ちょっとだけ嬉しい。
「はい……はい！みんなで来ます。
坂田さんも、かすみさんも一緒に」
ね？と2人の方を見れば、なんとも嬉しそうな顔で笑って頷く2人。
この2人とも交流を続けていくつもりだ。
この世界に来て私を支えてくれた大事な人たち
「おいまふ……そろそろ離れろ」
私に抱きついていたまふまふさんを隣のうらたさんが引き離し、自分の方へと私の肩を抱き寄せた。
「うらたさん！何するんですか！
うらたさんと違って僕はそう簡単に女神にくっつけないんですよ！」
「くっつかなくていい！」
「うらたくん。やきもち？」
「うるさいですよ、そらるさん」
相変わらず賑やかだ。
いつまでもここにいたいと思うほどに。
私はうらたさんを見つめた。
その視線に気づいたうらたさんは私を見て、そして頷いた。
「皆さん」
私の声にみんながこちらを向く。
私は一人一人の顔をしっかりとみる。
しばらく会えないからちゃんと目に焼き付けておかなきゃ
「私、この世界に来て楽しいこともあったけど、辛いこともたくさんありました」
そう言えば、そらるさんとまふまふさんが少し下を向く。
笑っちゃいけないのについクスッとしてしまう。
違うんだよ。
その経験もきっと私には必要だった。
「けれど、みんながいたから楽しかったの。
みんながいなきゃ私はダメだった」
そして私は最後に深く礼をした。
「ありがとう。本当にありがとう」
私と出会ってくれて
そして私たち4人はゆっくりと宮を離れた。
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なつの(プロフ) - ぽんぽこさん» ありがとうございます！私もこのお話書いていて楽しかったです。ぽんぽこさんにも楽しんでいただけで嬉しいです！コメントありがとうございました！ (2020年1月6日 8時) (
レス) id: 1923d39783 (このIDを非表示/違反報告)
ぽんぽこ(プロフ) - 長文失礼しました！ (2020年1月6日 1時) (レス) id: c596b916dc (このIDを非表示/違反報告)
ぽんぽこ(プロフ) - 完結おめでとうございます！最後の方を読みながら少し泣いてしまった...。個人的にこの話がすきで、終わってしまったのは悲しかったけど、浦田さんend見れたから良かった!ありがとうございました! (2020年1月6日 1時) (レス) id: c596b916dc (このIDを非表示/違反報告)
なつの(プロフ) - ふごっぺさん» 返事が大変遅くなってしまいました！！ありがとうございます！ (2019年12月25日 16時) (レス) id: 1923d39783 (このIDを非表示/違反報告)
ふごっぺ(プロフ) - 個人的にはうらたさん落ちがいいなと思っています。 (2019年10月5日 10時) (レス) id: 78ff944084 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なつの | 作成日時：2019年9月30日 23時
