84本目 ページ37
「……ごめん、それ以上は言わないで……早すぎんだろ……っ！
俺とまふはこれからなんだ。
お前にしたことをこれからの人生を使って返していくつもりだったんだ。それが桜華の願いであり、お前の命令に従った結果なんだよ」
何も言えない。
私も確かに早いと思った。
女神としてやりたいことや剣士の2人、そらるさんとまふまふさんと共に生きていきたいと願っていたのに
そらるさんは本当に辛そうだった。
今の私にはこの人の思いを受け止めることしかできない。
「俺はもう聞きたくない。2度も女神を失いたくないよ……。
次の女神？今度はお前が次の女神を任せるって言うのか？……無理だよ。俺とまふはそんなのもう耐えられない」
そう言うとそらるさんはだらん、と私の口を押さえていた手を下げた。
「……それはAの剣士に言ってあげて。
どっちみち俺とまふはお前の任が明けたらこの宮を出ていくつもりだったんだ」
「……違うの」
「え？」
これからは私が自分の気持ちを彼にぶつける番。
もちろん剣士には任が明けることを言うつもりだった。けれどこの先の言葉はそらるさんにしか言えない
「言ったでしょ？次の女神が来るのはずっと先。
あなたはもうすでにこの世にいないかもしれないんだよ」
そらるさんが目を見開く。
まさかそんな遠くの未来だとは思わなかっただろう。もちろん私も同じ気持ちだ
この国はどうなるのだろうか
「女神不在の間、あなたにこの宮のことを任せたいの。もちろん生涯ずっとってわけじゃない。
あなたの後任をあなたが決めて」
「は……？」
「この国も次の女神もとても尊いもの。
それらを支える人は優秀でなければ……そらるさん、あなたのように」
この宮の神事はまふまふさんが仕切ってきていた。
けれど、その裏でまふまふさんをサポートしたり各所に話をしていたのはそらるさんだ。
それがなければそもそも何もできていなかった。
(そらるさんは自分が思っているよりもすごい人なんだ。それを私は)
「次に繋げなければいけない。
あなたが信じる人なら私も信じます。
女神として、この宮と国を任せます。そして次の女神も」
そらるさんの顔はどこか不安げだった。
今度は私がそらるさんの頭を撫でる。
落ち着かせるように。
少しでも背負わせてしまった重さを払うように
「そらる。どうかこの国を未来へと導いてあげて」
そういえばそらるさんはこてん、と私の肩に頭を乗せ小さく頷いた。
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なつの(プロフ) - ぽんぽこさん» ありがとうございます！私もこのお話書いていて楽しかったです。ぽんぽこさんにも楽しんでいただけで嬉しいです！コメントありがとうございました！ (2020年1月6日 8時) (
レス) id: 1923d39783 (このIDを非表示/違反報告)
ぽんぽこ(プロフ) - 長文失礼しました！ (2020年1月6日 1時) (レス) id: c596b916dc (このIDを非表示/違反報告)
ぽんぽこ(プロフ) - 完結おめでとうございます！最後の方を読みながら少し泣いてしまった...。個人的にこの話がすきで、終わってしまったのは悲しかったけど、浦田さんend見れたから良かった!ありがとうございました! (2020年1月6日 1時) (レス) id: c596b916dc (このIDを非表示/違反報告)
なつの(プロフ) - ふごっぺさん» 返事が大変遅くなってしまいました！！ありがとうございます！ (2019年12月25日 16時) (レス) id: 1923d39783 (このIDを非表示/違反報告)
ふごっぺ(プロフ) - 個人的にはうらたさん落ちがいいなと思っています。 (2019年10月5日 10時) (レス) id: 78ff944084 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なつの | 作成日時：2019年9月30日 23時
