18本目 ページ18
部屋に響いた声は、坂田さんのものだった。
私は突然聞こえて来た寄り添いの言葉に、頷くしかできない。
「ねぇAちゃん」
一歩一歩と私に近づく坂田さんは、心にまで寄り添ってくれているようで、拒むことなんてできなかった。
「俺を女神様の剣士として、そばに置いてくれへん？」
「え……？」
「俺が君の道を正したるよ？
君が狂ってしまう前に、俺が止める。
君が泣くんなら、泣き止むまで抱きしめたる」
その言葉の通り、坂田さんは私の頬の涙を拭い、優しく抱きしめた。
「俺、Aちゃんを初めて見たときから女神様みたいやと思ったんよ。
神力とかそんなん俺には分からへんけど、その明るさと優しさだけは痛いくらい分かった。
だって、ここの人間じゃないって否定してるのに、ここの人間の誰よりもこの国の人を心配してるやん」
そう、なのかな？
私はただ、乱したくなかった。
安定している生活を、私だけではないこの国の人の生活を
「それって女神様に一番必要やない？
この国で泣いてる人みんなを助けてくれる」
そこまで言って、坂田さんは片膝をついて私の右手をとった。
「へ……⁉」
心臓が大きくドクッと鳴る。
坂田さんがそこに優しく口づけたのだ。
「失礼ながら、お願い申し上げます。
この国の民、全てに優しき慈悲と祝福を。
そして、あなたを守り、正しき道を切り開く盾と剣になることを誓います」
言葉の優しさと力強さに比例するほど真っ直ぐな坂田さんの瞳。
「……真冬」
「はい！」
突然呼び捨てにした私に驚くまふまふさん。
とっさのように返事をした。
「種をここに」
「……っ⁉」
私を信じてくれる人がここにいる。
私を守り、正してくれる人が
ならば、私もそれに答えなければこの人に合わせる顔などない。
きっと大丈夫。
こんなにも力強く私を見てくれているのだから
私はそっと種に触れた。
眩いほどの光。
今度はそれから目を背けない。
それをしてしまえば、坂田さんへの裏切りになるから
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なつの(プロフ) - over the rainさん» ありがとうございます！！大変お待たせしてしまいました。これからもぜひよろしくお願いします！コメントありがとうございました。 (2019年9月23日 7時) (
レス) id: 1923d39783 (このIDを非表示/違反報告)
over the rain - すごく面白かったです。応援してます。 (2019年9月23日 7時) (レス) id: a4bab14be1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なつの | 作成日時：2019年3月24日 14時
