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2本目 ページ2

「ん……」

随分と長い間寝ていた気がする。
私はそっと目を開けた。

「あ、れ?ここどこ?」

てっきり場所はさっきの暗い場所かと思ったが、私が目覚めた場所はその場所とは真逆の明るく広い空間。
私の寝ている布団に対して部屋が広いのだ。
人が5、6人一気に寝ることが可能なほどに。

かけられていた布団をそっとずらし、立ち上がる。
寝すぎていたのかふらふらとよろめく体に鞭を打ち、襖を開けて廊下に出た。

「え?なにここ……」

襖を開ければ縁側となっており、景色が一望できたが、あまりにも見慣れない景色が広がっていたために、私は言葉を失った。

私が住んでいた地域は田舎だったが、こんなに田舎ではなかった。
まず、家がほとんどない。
ここから見渡せる限り3、4件の家がぽつぽつと存在するだけで他に店や商店街のようなものは見えない。
それに、緑が多い。
このご時世自然が消えかかっていると騒がれているが、ここは次元が違うかのごとく緑に囲まれている。

「か、帰らなきゃ!」

見慣れない景色に怖くなり、私は部屋に戻って枕元に置いてあったバッグを手に取った。
さっそくこの広い家を出ようとすれば、私の足は止まった。

「どっちに進めばいいの!!」

右も左も似たような作りで、どっちが玄関なのか分からない。
しばらく頭を捻らせていたが、いくら考えても分からないのなら動いた方が得策だと考え、私は左の方へ足を動かした。

「それにしてもすごい緑!!
空気がおいしいなぁ」

今の時代では考えられないほど空気が澄んでいる。
もしかして、ここは誰かの別荘だったりしないだろうか。
私が倒れていたから近くの別荘に運んだ……的な?
それだったら、家の主人に挨拶をしなければ。

「あれ?」

ぐらっと景色が揺れた。
正確には私の視界が揺れたようで、思わずその場に座ってしまった。

「うぅ目眩かぁ。やっぱり寝すぎ?」

頭を横にふるふると振って調子を確かめていると、すぐ横の廊下から誰かの足音が聞こえてきた。
私はそちらに視線を送り、体を持ち上げる。
もしこの家の主人だったら挨拶せねば、礼儀としてなっていないだろう。

ゆっくりと持ち上げた体は、またしてもふらつきに耐えられずこけてしまう。
そして肘を強く打ち付けた私は、その痛みに悶絶した。

「いった…」

「何してるんだ?」

「ふぇ?」

涙目のまま私は声がした方を見上げる。
きっと足音の主なのだろう。
そこには、茶髪の髪ときれいな深緑の瞳を持つ男の人が立っていた。

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なつの(プロフ) - over the rainさん» ありがとうございます!!大変お待たせしてしまいました。これからもぜひよろしくお願いします!コメントありがとうございました。 (2019年9月23日 7時) (レス) id: 1923d39783 (このIDを非表示/違反報告)
over the rain - すごく面白かったです。応援してます。 (2019年9月23日 7時) (レス) id: a4bab14be1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なつの | 作成日時:2019年3月24日 14時

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