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ねぇ、知ってる？この神社の噂
知ってる！鳥居をくぐったらそばにいた子が急にいなくなっちゃうんでしょ？
そうそう！でも誰でもいいわけじゃなくて、ある条件を満たなきゃ、いなくなることはないんだって
「ある条件って？」
私は隣で話す浴衣姿の友達2人に問いかけた。
2人は少し困ったように笑う。
それが分かんないんだよね〜。
一つだけ分かっているのが、8月15日に開かれるこの夏祭りの日ってことだけ。
「数年に一回なんだね！ちょっとロマンチック！」
私は下駄をカランカランっと鳴らし、白地にピンクの牡丹が描かれた浴衣を揺らしながら高く赤くそびえ立つ鳥居に向かって歩く。
今日は地元の夏祭り。
古くから行われているお祭りで、この地域の伝統化してきている。
たこ焼き、りんご飴、わたあめ、じゃがバター……見れば胸踊る屋台ばかりで、自然とテンションも上がるものだ。
今年の夏祭りは高校2年生の私にとって何も考えずにめいっぱい遊べる最後の年。
だからめいっぱい楽しむつもりなんだ！
「あ！たこ焼き！食べようよ」
あははっ！子供みたい〜
あの噂の条件が『子どもっぽい』だったりしてね
それはないでしょ！綺麗な子、かもよ？
あ〜じゃあ、Aは危ないかもねぇ
「え〜何言ってるの？私が消えちゃうわけないじゃん！」
そーかなー！と3人で笑いながら、私たちは鳥居をくぐった。
「あ！結局鳥居くぐっちゃったけど、その噂ってどこから……ってあれ？」
私はふと疑問に思った。
この地域に長く住んでいるがそんな噂を一度も聞いたことがない。
誰から聞いたのか、気になった私は振り向いて問いかけようとしたが、あいにくそれは叶わなかった。
「なんで、誰もいないの？」
見渡す限りそこは黒。
先程まで賑わっていた屋台も、道を照らしていた提灯も今はなく、赤い鳥居だけが黒い空間で存在感を放っていた。
「はっ！……はっ」
暗いところが苦手な私は、その場にしゃがみ込んだ。
強い不安が胸を支配し、頭がガンガンと鳴る。
最初はふらふと歩いていたが、私はついに倒れてしまった。
朦朧とする頭でまた一つの疑問が浮かぶ。
「あの女の子たちは、誰だっけ……？」
今思えば彼女たちの顔が見えなかった。
てっきりクラスメイトかとも思ったが、どれだけ頭を働かせても見たことなどなかった。
「私、消えちゃう…の……？」
最後の助けだと鳥居に手を向けたところで、私の意識は途切れた。
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なつの(プロフ) - over the rainさん» ありがとうございます！！大変お待たせしてしまいました。これからもぜひよろしくお願いします！コメントありがとうございました。 (2019年9月23日 7時) (
レス) id: 1923d39783 (このIDを非表示/違反報告)
over the rain - すごく面白かったです。応援してます。 (2019年9月23日 7時) (レス) id: a4bab14be1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なつの | 作成日時：2019年3月24日 14時
