《ヒプマイ》したい、されたい《リクゆるぼ》

お風呂に《誘った》＊FP ページ21

✱シブヤ-Fling Posse


飴村乱数＊easy R
やはり大人気デザイナーの彼のお風呂は異端だ。
私の実家の倍はある風呂場にパステルカラーのタイル。色々なおもちゃがあり、子供っぽいな〜なんて思ったのは束の間。猫足のバスタブには白濁としたお湯が張られ、薔薇の花びらとおもちゃのアヒルが浮いていた。
湯船に浸かりながら目の前に浮かぶアヒルとにらめっこをする。
「バラ風呂なんて初めて見た……」
ぽつりと呟くと、後ろから当の家主が
「きゃわいいでしょ？ 僕のお気に入りなんだっ！」
と、可愛いヘアターバンを持ちながら入ってきた。
嫌でも(満更でもない)見えてしまう彼の体は思った以上に引き締まっており、意識が遠のいた。
起きた時には、乱数くんに扇がれており
「おねーさんのへんた〜い」
と、しばらく弄られる事になったのだった。


夢野幻太郎＊Phantom
「ふむ、そうですね……」
幻太郎さんは顎を指で撫でて考えるような仕草を見せる。また隠し事でもあるんだろうか、と不安になり見つめていると、彼は私の目を見つめ返し、実は、と真剣な面持ちで話し出す。
「実は小生、申し上げにくいのですが……その……」
「その？」
「……女、なんです」
その言葉に驚愕し、素っ頓狂な声が出る。
まさか、私が好きになったのは女の子だなんて。たしかに幻太郎さんはまつげも長く華奢で、すごく美人だ。なぜ今まで気づかなかったんだろう。しかし、私の心はたとえ女の子だとしても変わらない。
「それでも好きです！」
幻太郎さんは目を見張り、次の瞬間破顔した。
「ははは。嘘ですよ」
昨日の夜もその体で感じたでしょう。出し抜けの言葉の恥ずかしさに、私はその美しい顔に平手を食らわせた。


有栖川帝統＊Dead or Alive
快諾をした割に彼は羞恥に悶え、首元まで真っ赤にしていた。
「あわわ！ 全部見えんじゃん……拷問だ」
手を顔に当てているが、指の隙間からしっかりとこちらを見ている彼が微笑ましい。
彼の体にある縫い跡を撫でると、ビクリと方が飛び上がり、なんだよ、と涙目を向ける。
「これはいつの？」
「ああ、これは起きたら出来てた。記憶が無いから負けた時に売っぱらっちまったんだよ。多分」
多分じゃ困るよ。彼の完全に塞がっている跡をグリグリと押すと、くすぐってぇよ〜と笑う彼。
ヘラヘラ笑うそんな彼に、これからも手を焼かされそうだ。


NEXT→麻天狼

お風呂に《誘った》＊麻天狼→←お風呂に《誘った》＊MTC

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す