《ヒプマイ》したい、されたい《リクゆるぼ》

嫉妬《した》＊FP ページ14

✱シブヤ-Fling Posse


飴村乱数＊easy R
仕事終わり、乱数くんに用事があって、彼の事務所に行こうとしていたが、前方にいる張本人に私は憤慨していた。
「あははありがとう〜！おねーさんも可愛い〜よ！」
ご機嫌そうにアメを渡している彼は、女子高生からおば様まで、あらゆる年齢の女性に囲まれている。
可愛いとか、好きとか黄色い声を浴びて、僕も大好きと応えている。
(うらやましい……)
私の中の稚気な心が存在感を主張し、気がつくと彼の腕を掴んでいた。


夢野幻太郎＊Phantom
「夢野さん！ 好きです！」
「はは、小生もスキデスヨ」
嘘っぽい笑いをして、私の気持ちをマトモに取り合ってくれないこの人とのやり取りは、かれこれ2時間続いている。
ちなみに、彼とは恋人同士だ。
一般的な恋人同士は、愛を囁き合い、確かめ合う。たまにデートに出かけ、愛を高め合うものだと認知しているのだが、私たちは異色らしかった。
もしかしたら私だけが好きなのかもしれない。
告白も、デートのお誘いも、キスだって。全部全部私からだった。
執筆中の手を止めない彼を見つめ、それ以上を考えないように眠りについた。


有栖川帝統＊Dead or Alive
「そんときラムダが〜」
今日は帝統が私の部屋に鍋を食べに来ていた。
具材の支度をしている間、彼はゲンタロウさんという男性と、ラムダちゃんと言う子の話を楽しそうに延々としていた。
聞くところによると、ラムダちゃんは背が低い年上の可愛い人らしい。帝統が年上好きなんて知らないんだけど。
最初は微笑ましく聞いていた私だったが、だんだん悲しくなってくる。
私の知らない帝統をラムダちゃんは知っている。
気がつくと視界がぼやけ、私の両目からは水滴が落ちていた。


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