《ヒプマイ》したい、されたい《リクゆるぼ》

好きって《言ってみた》＊BB!!! ページ1

✱イケブクロ-Buster Bros!!!


山田一郎＊MC.B.B
「え、マジかよ……」
バイクを降りヘルメットを外しかけた彼。私が突然口を付いた言葉に、訪れる沈黙。
彼の顔をチラリと見ると、唖然という言葉通りの表情を向ける彼に
言わなければ、なんて後悔に襲われる。私は被っていたヘルメットを一郎くんの前に出すと、突然腕を引かれ、いつもなら遠い彼の匂いに包まれる。
「嬉しい」
お前と一緒の気持ちで、と付け足し私を見つめる彼の補色の瞳に、私はまた恋をした。


山田二郎＊MC.M.B
「お前今なんて……！？ 」
ろくに授業も出ずに遊ぶためだけに行った学校からの帰り道。
いつも通りのY字路で、いつも通りの別れ間際、いつも通りなら私はじゃあねと言うタイミングで、そんなテンションでカミングアウトをした。
顔真っ赤だよ
そう言って踵を返すと、腕を引かれる。
振り向かずにいると、お前もな。なんて意地悪な声が帰ってくるもんだから、振り向いてその夕焼けに燃えるお互いの顔を見つめ合う。
返事はもちろん――


山田三郎＊MC.L.B
「……あっそ」
放課後、動物園のように騒がしいクラスで、私は山田くんに告げる。
しかし、山田くんは微塵も相手にしてくれず、何の罰ゲーム？ とまで聞かれてしまう始末。
本当なのに。心の中で呟くと同時に、視界がぼやけ涙ぐんでいることを理解する。
それを必死にこらえると、視界は黄色く染まり、雫が拭き取られる。
「……本当なら、僕から言おうと思ってたんだけど」
教室の隅、ふたりぼっちの世界で、私達は始まろうとしていた。



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