カルガモ ページ9
「カルガモ！！！！」
びっくりして振り返るとこちらに手を伸ばしてアスファルトに這いつくばってるAの姿。
もう、なんかもう、ぐちゃぐちゃになってる。
アイライン？マスカラ？目の周り黒いし。
とにかく涙でべたべただった。
「カル、ガモ…親子が」
そんで俺も俺でぐちゃぐちゃだった。
大ちゃんが通ってるヘアサロンを訪ねたらいきなりAが現れて。
え、偶然？いやぜってー違う。大ちゃんに謀られた！
なんで？Aと大ちゃんは会ったことないはずだしなんでだ？もしかしてミラクルで偶然？ってぐるぐるぐるぐるしててまだ事態がよく分かってない。
卵が先か鶏が先か、宇宙ってどれくらいの広さなの？ってくらいの規模でぐるぐる。
とにかく、落ちてるキャップを拾って未だに転がったままのAに被せる。
「光くん…」
「よっこいしょ」
両脇の下に手を入れて、小さい子を抱き起こすみたいにして上体を起こしてやった。
冷たいアスファルトの上、正座で座るAとしゃがみこんでる俺。
Aの服についてる汚れをぱっぱっと払う俺の手をじっと見てる。
まじで小さい子みたい。
「あーあ、タイツ破けてんじゃん」
「うん…」
「手から血ぃ出てる」
「うん…」
「スタイリストなんだからもっと手を大事にしなさいよ」
「うん…」
「うんしか言えないわけー？」
「…会いたかったの、ずっと、ずっと光くんに会いたかったの。ちゃんと話したかった、聞いてほしかった」
「うん」
「これからも光くんの髪を整えるのは私でありたい」
「うん」
「ずっと私のモデルでいて欲しい」
「うん」
「多分、私のこといろいろ聞いたと思うけど、それは…「うん。それだけ？」え？」
「言いたいことはそれだけ？」
「うん(？)」
「ほんとに？」
「…う、ん」
「じゃあこれは？」
Aの頬に手を当てて唇を押し付けた。
「き、す」
「反対は？」
「すき」
「うん、俺も」
驚いた顔、そしてえへへって照れて笑う顔。
道端で何やってんだって思って慌ててAの手を引っ張った。
「カルガモどこにいんの？」
「こっちです…」
そのまま手を引かれる。
あの時みたいに、Aと初めて会った時みたいに。
少しだけ違うのは、恋人繋ぎ。
____________
急展開すぎますww
うまく(？)2人はまとまりましたが、とりあえずここから後日談や心情、伏線回収など(伏線なんてないけど)→
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もぶ(プロフ) - 光愛さん» 光愛さん、ありがとうございます！面白いって言っていただけると本当に嬉しいです♪更新頑張りますねっ！お楽しみに！ (2016年12月17日 19時) (
レス) id: 9ad38ae900 (このIDを非表示/違反報告)
光愛 - とっても面白いです！！！！頑張ってください！ (2016年12月17日 18時) (レス) id: 4084330d48 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もぶ | 作成日時：2016年12月14日 15時
