re:union ページ8
フリーペーパー用の撮影からすぐ、コンテストの応募どうする？って先輩に聞かれて…
挑戦するならモデルは絶対に光くんがいいって思ってた。
「締切もあるし、そろそろまとめといた方がいいよ？彼には話したの？」
「まだ…」
「そういやそのキャップよく被ってるね、どこの？」
「あ、頂き物で！」
プレゼントしてもらったキャップは結構ヘビロテで使ってる。
でも光くんも持ってるものだし、会う時に被るとお揃いになっちゃうから嫌がるかなって…
彼の前では被らないでおこう。
あ、でもプレゼントしたものを使ってないって思われるかな？失礼？
「お？Aの好きな人から？」
「違いますよ！そんなんじゃない！！」
多分近いうちに私はクビになって、あることないこと言われて…
そんな終わり方ならやってやろう。
今私が持ってる全ての力を出し切って見返したい。
女の武器を使ってここまでやってきたんじゃない。
ちゃんと自分の実力でやってきたって。
でも突き付けられた現実はかなりシビアだった。
作品応募の前にクビ。
所属の店舗がなければコンテストに応募することすらできない。
手前味噌だけど、せっかく光くんの持ち味も生かしながら私なりの作品ができたって思ってたのに。
光くんにちゃんと完成した写真見せたかったのに。
「ねえ、オーナーと不倫してたんだって」
「あ、だからアシスタント上がりで早々にヘアカタ撮影とかやってたんだ」
「それってどうなの？」
「そんな子に見えないのにね」
「関係拗れたからクビ？」
「こえーよ」
「俺オーナー怒らせないようにしよ」
今でも私を見るみんなの冷えきった視線を思い出せる。
辛くなって唇を噛んだ。
「Aさん、お願いします」
「はい」
山田くんに声をかけられてカウンセリング用のバインダーを持つとフロアへ出る。
新規でカットとカラーか、ちょっと時間かけても話ししたいな。
お客様を見上げた。
「え…」
「ひか、るくん」
そこには私とお揃いのワークキャップを被る光くんが立ってた。
「あの、ごめん、光くん私…」
「またにします、失礼しました」
くるりと踵を返して店を出る光くんに呆然。
「追いかけて！」
「え、山田くん？！」
「大ちゃんから聞いてます。見失っちゃうから早く！」
「…うん！ごめん！」
店を出るともう光くんの姿はなくて、とにかくむやみに走った。
走って走って、見つけた後ろ姿。
足がもつれて転んだ。
「おえー」
そしてえずいた。
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もぶ(プロフ) - 光愛さん» 光愛さん、ありがとうございます！面白いって言っていただけると本当に嬉しいです♪更新頑張りますねっ！お楽しみに！ (2016年12月17日 19時) (
レス) id: 9ad38ae900 (このIDを非表示/違反報告)
光愛 - とっても面白いです！！！！頑張ってください！ (2016年12月17日 18時) (レス) id: 4084330d48 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もぶ | 作成日時：2016年12月14日 15時
