皐月の出会い4 ページ5
「傷が心配？気持ち悪くないの？クラスのやつらは今までずっとそう言ってきた！
友達は、正直言うと欲しいよ。…でも！」
「…信用出来ない？」
「ッ…」
「……私、AA。この学園に高等部から編入してきました。好きな色は淡いピンク、好きな食べ物はオムライス！好きな教科は歴史、苦手な教科は…理科かなぁ」
「…？」
「不安なのは、信用出来ないのは、まだお互いを知らないからじゃない？私、本当に柚木くんとお友達になりたいの。今はまだ信用出来ないかもしれないし、無理にとは言わない。でも、少し考えてくれないかな、友達の件。」
「…君の望むような言葉が今後言えるか分からないよ？」
「それでもいいの！私待つよ。柚木くんが私の事信用して、お友達になってくれるの。」
彼は私の熱に負けたようで、了解の言葉を言った。そして、
「でも、クラスの人やこの学園の生徒が近くにいる時は話しかけないで。」
「どうして？そんなに私が話しかけるの嫌…？」
「違う！ …ただ、君が異質な俺と話してるのは、きっと周りが許さないと思うから」
その言葉にAは納得できなかったが、彼と友達になるためだと我慢する。
「わかった。でも、周りに誰もいなかったら、お話しようね！」
元気に言う彼女に普は少し微笑んでしまう。
「あ！笑った！」
「…ッ、笑ってない！」
照れたように言う彼に私も思わずプッと吹き出してしまう。
「柚木くんって笑うと可愛いね！ずっと笑ってたらいいのに。」
「嬉しくないし、ずっと笑ってたらそれこそ気持ち悪いでしょ」と的確なツッコミを入れた普に、「確かにね」と私も返す。
時刻は夕方5時を回ろうとしていた。
時計を見て、そろそろ帰らないと、と思った彼女は荷物を持ち、柚木に「それじゃ、また明日ね！」
と声をかけ、教室から出ていく。
教室に一人残された普は決して寂しくなどなかった。
「また明日…か」
と、窓側へ近づき空を見る。
小雨は止んで、遠くの空には雲と雲の間に青空が見えていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 9人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
紅藍泉(サブ垢)(プロフ) - き、気づいてないのでしょうかね…?オリフラが付いたままなので外してくださーい! (2020年4月2日 1時) (
レス) id: 683fdc4528 (このIDを非表示/違反報告)
ノン(プロフ) - オリジナルフラグ外れてませんよ。 (2020年3月15日 3時) (レス) id: 06efefbac8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：白鈴 | 作成日時：2020年3月6日 0時
