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翔
皆が寝静まった頃、俺は静かに起き上がる。
そうっと自室のドアを開け、慎重に階段を降りていく。
一階にある物置の前まで来たらもう大丈夫。あまり大きな音を立てなければ聞こえない。
物置のドアを開けて中に入る。電気式のランタンで照らしながら奥に進むと雑多に積み上げられた本や資料がある。
それをパラパラとめくり少しずつ山を崩していく。
探してから暫くたったころ、雑にまとめられた紙の束の中に気になる文字を見つける。
「老いの概念」
なんの資料なのか気になって題名を見ると、一枚目に殴り書きで
「鬼について」
と書かれていた。
鬼…。俺はその資料を服の中に隠すと自室へと戻った。
何故だか早くこれを読まなければならないと感じた。誰にも気づかれないように、早く、早く。
もう夜も良い時間になっていることとか、明日は学校だとかそんなことはもう頭から飛んでいた。
貪るように資料を読み込む。
その資料は誰かが急いで書いたのか物凄く読みづらかったがそこに書かれた一文字一文字が俺を捕らえて離さなかった。
鬼は人が変化してなるものである。
鬼になるにはいくつかの条件を満たさなくてはならない。
鬼になる為には特殊な体質であることが重要である。
鬼とは、人ならざる者の一種である。鬼には老いの概念がない。自分の好きなように年を取ることも若返ることもできる。
強い霊能者がいると殺されることもあるが基本的には自分が死のうと思った時が寿命。
鬼になるためには負の気を濃く溜め込むことができる体質でなくてはならない。普通は外に漏れ出るので濃度はそこまで濃くならないがそれをいっさい外に出さず自分の中で圧縮出来ること。これはある意味鬼になるための才能といえよう。才能ある者は心に扉がある。
条件は己の深い負の気に大量の霊を取り込むこと。
一定量に達した時、それは起きる。
とびらをとじればちからもとじる
負の気、これは恐らく智君が言う負のオーラのことだろう。
もしこれに書いてあることが本当なら、俺はもしかして、鬼になる才能があるんじゃなかろうか。
霊を取り込んだことで鬼に近づいていて。それならただの黒だった汚い感情が力に変質したように感じたのも納得がいく。
もしこのまま霊を取り込み続けたら…。
前に読んだ本にあった。一族の中に感情を隠すのが異様に上手い者がいると。
五十嵐家は、霊能者の家系だけではなく鬼も輩出しているのではないだろうか。
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とうこ(プロフ) - いつも楽しく拝読させて頂いています！4か、5か…の間？のような感じで、4人でSさんの力を小さくし、小鬼？くらいの能力に抑えながら、永く同じ時間を過ごしていく…みたいな感じもどうかな？と思いました。どんな結末になるか楽しみにしています！ (2021年12月19日 19時) (
レス) @page49 id: d6b414cbbc (このIDを非表示/違反報告)
花序(プロフ) - はじめまして。いつもひっそり楽しく読ませていただいております！わたしは5を希望します。先に寿命を迎える事は悲しい事ですが翔くんの心が4人によって浄化されたらいいなと思います。そしていつかまた何らかのカタチで再会できたら幸せですね。 (2021年12月18日 20時) (レス) @page49 id: 9d25e37658 (このIDを非表示/違反報告)
まさきっち - 私は4を希望します (2021年12月16日 12時) (レス) @page49 id: 61f762c73c (このIDを非表示/違反報告)
翠奈 - ４です。でも、いつかまたあおうねってかんじでおわかれがいいです。できれば、１年後とかに４人の能カも消えて、翔くんもふつうになって５人でくらすっていうかんじがいいです。色々すみません！！ (2021年12月15日 18時) (レス) @page49 id: 87c0cb4545 (このIDを非表示/違反報告)
夏音(プロフ) - 4 なのですが、数十年後に4人の前に生まれ変わった幼い翔くんと出逢い5人で暮らすとか。ほんのりアンハッピーじゃなくなるといいなぁ。 (2021年12月15日 18時) (レス) @page49 id: 4a8a281850 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：陽方向 | 作成日時：2021年11月1日 11時
