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翔
翔「そう、正解だ。それじゃあ最後に君の名前は?」
立て続けに質問をした。そしてこれが最後の質問。
己をしっかりと自覚することが憑依されたときには何よりも大切らしい。
雅「まさ…き。五十嵐雅紀！」
そう言った瞬間に俺は少しだけ心の扉を開けて負の感情を解放する。途端にどろりと溢れ出す黒、黒、黒。
強まった雅紀の抵抗力と、目の前の美味しそうな餌。
俺には見えないけれど、霊が喰いつくのはきっと俺だ。
ずしっと胸の中が重くなる。
俺では無いナニカが、負のオーラの濃い扉に向かって一直線に飛んでくる感覚。
俺の負のオーラに夢中なせいか憑依はしていないようだ。ただ俺の中に入ってきただけ。
俺の闇を喰いつくして力をつけようとしているようで俺自身には興味が無く、自我の方には全く影響が無い。
雅紀はまだ憑依から解放されたばかりでぼーっとしている。双子は家の方向に何かを見つけたようで必死に呼びかけている。丁度霊が俺に入ってきた瞬間を見ていないみたいだった。
…ん?…家の方向?
まずいまずいまずい、恐らく「嫌な予感」がして家を飛び出してきた兄だ。
慌てて負の感情をいつものようにしまい込む。ぎゅうっと押し込めると俺の中に入ってきた霊まで一緒に閉じ込めてしまった。
智「大丈夫か!?」
走ってきたのだろう。息があがっている。
それにしても、霊がずっと暴れている。ここから出せと言うかのように。
激しく扉を叩かれて気持ちが悪い。それでも開かないようにいつもより力を込めて扉を閉じる。
ぼーっとした雅紀と気持ち悪さでぐったりとした俺を見つけた3人が慌てて駆け寄って来る。
和「翔さんが、俺はお兄ちゃんだから任せろって…!」
大丈夫、大丈夫。きっとバレない。
扉をキッチリと閉めてしまえばその内側はバレないという自信があった。
智「翔くん、しっかりしろ。今兄ちゃんが助けてやるからな。」
きもち…悪い。口を抑えたまま動けない。
3人はぐっと目に力を込めて霊を探しているようだ。
潤「…どこにも居ない…?」
和「どうして…?」
智くんも怪訝そうな顔をしている。
智「翔くん、大丈夫か。何があった!?」
気持ち悪さを堪えて、俺はそれらしい説明を始める。
翔「本で…読んだの。このままだと…力尽くで雅紀から…引き剥がすだろうなって…。でも、そうすると雅紀も傷つくでしょ…？だから時間だけでも稼ごうと思って…。本の通りに声かけを…。」
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とうこ(プロフ) - いつも楽しく拝読させて頂いています！4か、5か…の間？のような感じで、4人でSさんの力を小さくし、小鬼？くらいの能力に抑えながら、永く同じ時間を過ごしていく…みたいな感じもどうかな？と思いました。どんな結末になるか楽しみにしています！ (2021年12月19日 19時) (
レス) @page49 id: d6b414cbbc (このIDを非表示/違反報告)
花序(プロフ) - はじめまして。いつもひっそり楽しく読ませていただいております！わたしは5を希望します。先に寿命を迎える事は悲しい事ですが翔くんの心が4人によって浄化されたらいいなと思います。そしていつかまた何らかのカタチで再会できたら幸せですね。 (2021年12月18日 20時) (レス) @page49 id: 9d25e37658 (このIDを非表示/違反報告)
まさきっち - 私は4を希望します (2021年12月16日 12時) (レス) @page49 id: 61f762c73c (このIDを非表示/違反報告)
翠奈 - ４です。でも、いつかまたあおうねってかんじでおわかれがいいです。できれば、１年後とかに４人の能カも消えて、翔くんもふつうになって５人でくらすっていうかんじがいいです。色々すみません！！ (2021年12月15日 18時) (レス) @page49 id: 87c0cb4545 (このIDを非表示/違反報告)
夏音(プロフ) - 4 なのですが、数十年後に4人の前に生まれ変わった幼い翔くんと出逢い5人で暮らすとか。ほんのりアンハッピーじゃなくなるといいなぁ。 (2021年12月15日 18時) (レス) @page49 id: 4a8a281850 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：陽方向 | 作成日時：2021年11月1日 11時
