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和
和「潤く……。」
私の推理を話そうと呼びかけたところで、ふと考えがよぎる。
ただでさえ心配性の潤君のことだ、まだ確かではない推理を鵜呑みにして突っ走ってしまうだろう。
そうなったらきっと翔さんはより固く口をつぐんでしまう。
それならまず私だけで証拠を集めた方が良いのではないだろか。
身軽な方がバレずに探りやすい。
潤君は良い意味でも悪い意味でも素直だ。すぐ顔に出るから隠れて探るのは難しいだろう。
潤「和…?何か分かったの…?」
名前を呼ばれたまま放置されて、不思議そうな顔でこちらを見つめる潤君。
おっと、ついうっかり思考の海に沈んでしまいました。
和「いえ、何にも。…ねぇ、潤君。まだ危ないことって決まったわけじゃないですし、翔さんだって立派な成人男性です。まずそうなこととそうじゃないことの区別くらいつきますよ。だから様子見で良いんじゃないですか?…ほら、そんな顔しないで。かえって翔さんに心配されちゃいますよ。」
眉毛はへにょんと下がったままだったが小さく分かったと頷いてくれた。
しょぼくれた頭をポンポンと撫でてあげると恥ずかしそうに顔を赤くしてこちらをにらんでくる。
そうそう、潤君の眉毛はキリっとしてた方が似合ってますよ。
耐えきれなくなって部屋へと走っていく潤君の背中を見送る。
置き去りにされたマグカップを洗ってしまうと自分も二階に上がる。
翔さんが帰ってくるまえに漁っとこうかな。
普通の動物じゃなければ翔さんのことだ、必ず調べるだろう。片付けの苦手な兄はきっと資料を置きっぱなしにしているはず。
そうっと翔さんの部屋に滑り込むと机の上に大量に置かれた資料に向かう。
あら?ぴしっと積みあがってる。潤君が一度積み直したかな。
机に三つほど立っている資料のタワーのなかで一つだけやたらとぴっしり積みあがっているものがある。
どうせなのでそこから調べようかと手を伸ばした時、一番上に置かれた雑にまとめられた紙の束に目が行った。
「鬼について」
鬼…。本の中でしか出会ったことのない想像上の生き物。
古い本が積み重なる中、その資料は明らかに異質だった。
他の本は霊能力についてが大半で、効率の良い力の使い方や便利な技など私たちの為の資料であるのに対してこれだけが違った。そもそも本ですらない。
紙の束をパラパラとめくる。
そこにはこう書かれていた。
「鬼は定期的に大量の血の滴る肉を食さなければいけない。」
これだ…!
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とうこ(プロフ) - いつも楽しく拝読させて頂いています！4か、5か…の間？のような感じで、4人でSさんの力を小さくし、小鬼？くらいの能力に抑えながら、永く同じ時間を過ごしていく…みたいな感じもどうかな？と思いました。どんな結末になるか楽しみにしています！ (2021年12月19日 19時) (
レス) @page49 id: d6b414cbbc (このIDを非表示/違反報告)
花序(プロフ) - はじめまして。いつもひっそり楽しく読ませていただいております！わたしは5を希望します。先に寿命を迎える事は悲しい事ですが翔くんの心が4人によって浄化されたらいいなと思います。そしていつかまた何らかのカタチで再会できたら幸せですね。 (2021年12月18日 20時) (レス) @page49 id: 9d25e37658 (このIDを非表示/違反報告)
まさきっち - 私は4を希望します (2021年12月16日 12時) (レス) @page49 id: 61f762c73c (このIDを非表示/違反報告)
翠奈 - ４です。でも、いつかまたあおうねってかんじでおわかれがいいです。できれば、１年後とかに４人の能カも消えて、翔くんもふつうになって５人でくらすっていうかんじがいいです。色々すみません！！ (2021年12月15日 18時) (レス) @page49 id: 87c0cb4545 (このIDを非表示/違反報告)
夏音(プロフ) - 4 なのですが、数十年後に4人の前に生まれ変わった幼い翔くんと出逢い5人で暮らすとか。ほんのりアンハッピーじゃなくなるといいなぁ。 (2021年12月15日 18時) (レス) @page49 id: 4a8a281850 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：陽方向 | 作成日時：2021年11月1日 11時
