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「あら、水も滴る良い男」
「…傘を忘れてしまって」
土砂降りの中、傘も差さず立ち尽くすバーボンに、ベルモットは疑念を抱いていた。
目の前の路地裏は
ただの暗闇だと言うのに。
「それより、早くあの男を始末して帰りましょう」
「そうですね。」
バーボンは男の遺体を男が乗ってきた車に乗せると、車の下に何やら小さなものを取り付けた。
ベルモットが車に乗り込むのを見て、バーボンは再度 路地裏へと目線を送る。
傘と食材は後で買い直し持って行ってやることにしよう。そう決めて自分も運転席へ乗り込む。
怖がらせてしまったかもしれないが、説明すれば分かってくれるだろう。今までだって今回だって、僕は何もしていないと、彼女ならちゃんと理解してくれる。
それは何だか、自分自身に言い聞かせているようだった。
「あの路地裏、やっぱり誰か居たのかしら?」
「…何故です?」
「だって私と目を合わせるより、あの路地裏を見る方が多いんだもの」
ベルモットの小さなジョークに、いつもなら嫌味の一つでも返してくる筈が今回はそんな余裕はなかったようで。
「気の所為でしょう。ぼうっとしていただけです。」
「……あらそう」
いつもとは違う態度のバーボンに、ベルモットは何処か面白味を感じていた。
気になるわね、バーボンがこれ程までに入れ込む
A、って子が。
サイドミラー越しに燃えたぎる炎が見えた。
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Hiyo(プロフ) - 腐腐腐さん» ありがとうございます!運命感じさせました^._.^ (2022年6月22日 5時) (レス) id: 5712aeba53 (このIDを非表示/違反報告)
腐腐腐 - めっさ好きです!この作品に運命(?)を感じました笑続き楽しみに待ってます! (2022年6月20日 21時) (レス) @page36 id: c7cac8184e (このIDを非表示/違反報告)
Hiyo(プロフ) - 雪見大福さん» ありがとうございます〜!励みになります( ;; ) (2022年5月15日 2時) (レス) id: 5712aeba53 (このIDを非表示/違反報告)
雪見大福(プロフ) - めっちゃ好きです!更新応援してます。、これからも無理せず頑張ってください (2022年5月13日 0時) (レス) @page16 id: 4031fb98ab (このIDを非表示/違反報告)
Hiyo(プロフ) - アリスさん» ありがとうございます!頑張ります^._.^ (2022年4月30日 15時) (レス) id: 5712aeba53 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Hiyo | 作成日時:2022年4月27日 16時