【名探偵コナン】知らないうちに人助けしていたらしい。

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「あ、Aちゃん」

「…………？」



チョビ髭の人に声を掛けられる。
ここ数年で不審者に声を掛けられる率が上昇している。あの人たちの所為で。

チョビ髭の人はわたしの頭を撫でると「久しぶりだなあ！」と言って嬉しそうに笑った。

……えーと、こんなフランクに話しかけられても誰か分からない。知り合いだっけ？



「その顔もしかして」

「すみません記憶力皆無なので」

「嘘だろ、何か萩原の気持ちが分かった気がする…」



ガックリ。あからさまに落胆しているチョビ髭の人は「スコッチだよ」と名乗った。そんな、名乗られても覚えてないんですけど…



「それとも職権乱用って言った方が良いかな？」

「あっ銃刀法違反の人」

「うわ凄い独特」



それからスコッチさんは「本名は諸伏景光って言うんだ」と。あ、やっぱり渾名みたいな感じだったんだ。本名だったらどうしようと思っていたので何だか安心した。

「俺たち君に助けられてばかりだね」と笑いながら言う諸伏さん。
確かにチャラ男さんも松田さんも諸伏さんもいつの間にか助けちゃってるけど、ただの偶然だしそんな可愛がられる必要性がないというか…

それよりチャラ男さんの名前を聞いてないことに気付いて尋ねると、「彼奴ってホント可哀想な奴だなぁ」と苦笑いしていた。



「萩原研二だよ。今度会った時はちゃんと覚えといて」

「今度会うことがないように頑張ります」

「そこで努力されても困るなぁ」



諸伏さんはチョビ髭の割にはとても親切な人で、「お腹空いてない？」とご飯を奢ろうとしてくれたり、「じゃあプレゼントは？」と私の欲しい物を聞いてきたりしてきて、今までこんな接し方されたことないからどう対応すれば良いか分からない。

生きてれば良いと言った筈なのに、どうやらきちんとお礼がしたいらしい。



「じゃ、じゃあまた会った時に」

「会ってくれるんだ？」

「いや、偶然の再会に身を任せるということで…」

「ふふ、言ったな？絶対だぞ？」



変な約束を交わしたあと、諸伏さんは私に連絡先を渡して帰って行った。変な人たちの連絡先ばかり増えてもなぁ。

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