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それは甘えとは言わない ページ5




それから半年の月日が経ち、僕は海外へ行った。
「僕に何かあったら、一年や二年を頼む」と、頼みに来た五条先生から最近のAちゃんの事を聞いた。

実力はやっぱりすごいらしい。
両面宿儺と対峙して、
死にかけたとは聞いたけど、
その前に特級仮想怨霊を一人で祓ったみたいだ。

最近は特訓の成果もあり、
少しずつ自分の力に慣れ始めていて、
この前は五条先生の前で領域展開もしたらしい。

五条「本当はさ、Aにも頼みたいんだけど、
これが重荷になられても困るし、
未だ発展途上だからもう少し強くなったら頼もうかな」

と、五条先生は言っていた。


五条「…そろそろ、僕はAを一人前にさせたいんだよね。どうするか考えるたびに、大丈夫だろうと思いつつ、でもやっぱり心配ってのを繰り返してる。
僕ってAのことになるとすごい過保護になっちゃう〜」


乙骨「わかります」

五条「ほんとそうなんだよね〜」


でも、なんとなく、

話を聞いている限り、

もう彼女に過度な心配はいらないような気がした。




だから、話したんだ。











###




電話の向こう。

遥か遠くの日本にいるAちゃん。

おげんきですか?

僕は、元気です。




乙骨「…Aちゃん。……未だ、戦うのは怖い?」


長い沈黙のあと、


『_________すみません、私、ずっと甘えてました。

強くて、守ってくれる憂太先輩や五条先生に甘えてて…
自分が守らなきゃいけない人達を守れないかもしれないから、予防線を張って逃げようとしてました。』



彼女の顔は見えないけど、
きっとあの頃よりも強くなってると思う。



『“守れないかもしれない”とか“怖い”とか、
もう言える立場じゃないですよね。
私の強さなら、皆を守らなきゃいけないのに…』


彼女の不安定さは、消えたわけじゃない。

でも、一歩前進した。



『…憂太先輩は、とにかく悠仁のことをお願いします。
私は他のみんなを守ります。』


乙骨「Aちゃんがそう言ってくれてとても心強いよ。ありがとう。」


そんなこんなで最近のことを話していたら
かなりの時間になってしまったので、
通話を切ることにした。


『…また、いつでも電話してください。
憂太先輩の声好きなので、待ってます…!』


あぁ、なんだろう。
やっぱりAちゃんは、すごく可愛い。

国際電話料金は心配だけど、
Aちゃんへの心配は少し減った。


よし、今からミゲルに報告しにいこうっと。

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作者名:0000 | 作成日時:2022年3月28日 22時

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