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コックリさんが泣き止んだんのが数分前。
私達はベンチに腰掛けて彼が渡してきた鯛焼きを食べていた。
「しかし笑顔のことをそんなに気にするとはな。意外だ」
コックリさんがそう言うが、こひなは彼を無視して鯛焼きを頬張る。
「人形はそもそも笑いませぬ！とか言ってスルーしそうなのにな。どうしたんだ？もしかして真人間に目覚めたのか？」
こひなはその言葉にムスーンと下を向いてコックリさんの頬を思い切り引っ張り出した。
「何だ？モノマネが嫌だったのか！？」
コックリさんが痛がりながらそう言う。
私はそれに対して一言。
「それないと思うよ。でも、さっきの顔キモかった」
「そうか？」
首を傾けて顎にてを当て始めたコックリさん。
すると、こひなが私の手を取ってベンチから飛んだ。
「帰るのです」
「いいよ」
トボトボ歩き出したこひなは未だに何処か暗い。
見かねたコックリさんはこひなの私が繋いでいない方の手を取って優しく励ます。
「この前の笑え言ったのは忘れろ。お前には早すぎた。そもそも笑顔なんて自然に笑うべきものだしな。無理に人に合わさなくていいぞ」
こひなの頭にコックリさんの手が乗るのが見えた。
「もしかして俺に嫌われると思ったか？俺はお前を嫌いになったりしないから安心しろ」
──嫌いになったりしない。
コックリさんがそう言った時に、こひなの肩が跳ねたの私は見逃さなかった。
私はそれを見て微笑む。
「こひな、大丈夫だから聞いてみな」
こひなは私を見上げて黙り込むと、そのままコックリさんに目を向けた。
「ほんとに、市松を嫌いになりませんか？」
コックリさんは私達を見比べて頷いた。
「ならないって。ホントのホントだ」
こひなが小指を立ててふわりと笑む。
「嘘ついたら針千本なのですよ？」
「！？」
刹那、真っ赤になって興奮しだしたコックリさん。
「やればできるじゃんか！？ほらもう一度今の顔！Aもこひなとツーショットで笑ってみろ！」
ガクガク私の肩を掴んでこひなを指さし迫ってくるその姿。
渋々だが、久久に見れたこひなの笑顔を思い出して感謝程度にはいいかとこひなの横に並ぶ。
「笑ってみろ」
そう言われて笑顔を浮かべた私と、振り出しに戻ってしまったこひなの笑顔。
私はその場で膝をついき、コックリさんが叫ぶ。
「わたし、何の為に笑った……」
「違ぇぇええ！だから何でそうなるんだよ畜生ォオオオ！！」
今、この場に私達の声が響いた。
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キース - 面白いです！更新頑張ってください！ (2016年8月2日 23時) (
レス) id: b1702cbaf1 (このIDを非表示/違反報告)
ユナ - とても面白いです！違う作品でも、頑張ってください！ (2016年1月4日 15時) (レス) id: d3c3756fcc (このIDを非表示/違反報告)
威亜(プロフ) - 面白いです (2015年9月3日 0時) (レス) id: 201d9303c7 (このIDを非表示/違反報告)
逆巻テディ - 面白いです♪私は夢主ちゃんの学校生活についてめっちゃ読みたいです(^^♪ (2015年8月9日 21時) (レス) id: 3dd5edf683 (このIDを非表示/違反報告)
てふてふ - 龍さん» ご指摘ありがとうございます！直ちに手直し入れさせて頂きます！！ (2015年8月6日 23時) (レス) id: d89bc8a970 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：てふてふ | 作成日時：2014年10月13日 3時
