繰繰れ！お姉さま【ググコク】

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「人形なので心が有りません。以上です」

こひなの言い分はこれだ。

そして、これが私の言い分。

「人形の姉で心は有るけど慈悲はない。以上」

狐耳は痛い子を見るような目を私とこひなに向ける。

「人形は痛い子を見る目にも動じません」

「何、目潰ししてほしい？」

「いや、遠慮する……」

狐耳は衝撃を受けた表情から一転。

こひなに近寄ると彼女の頬を伸ばし始めた。

「だが、人形の材質ではないと思うのだが？」

くるっとこちらを見る狐耳の顔。

私は奴の瞳からそっと視線を外して手を振る。

「最新科学、最新科学。そんなこと気にするな必要ない」

「細かい設定は取扱説明書でご確認を。お姉と市松のお手製コピー本です」

「自分で設定とか言っちゃうなよ」

狐耳はこひなが持ってきたいつかの説明書を開く。

そして、軽く死んだ目で中身を確認して言う。

「えーと……お前らが子供嫌いと言うことが分かった」

私もこひなも親指を立てた。

「Yes、市松は大人向けの人形なのです」

「こひな以外のガキは朽ちろ。Go to hell」

「その言い方とその発言やめろ」

狐耳の綺麗なツッコミが決まった。

それはともかく。

「私もこひなも怯えたりしないからさっさと帰りな」

「むぅーつまらん！！」

私は狐耳を殴りたい衝動に駆られる。

しかし、我慢だ私。

目の前の男は腕を組みながら、私達に告げた。

「ただ帰るのも尺なんで間をとって取り付くことにした！ノリで！」

「なるほど」

「いらん。つか、こひな納得するなし」

私はこひなの頭を叩いて、狐耳を外に投げ飛ばした。

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