めんどくさい彼女 (ページ50)

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５０…CY ページ50

夏休みが始まってすでに1ヶ月弱

8月の中盤
今日はこの辺りで一番大きな祭りがある

もちろんAを誘った
嬉しいことに来てくれるそう、なんだけど

「何でお前がいるんだよ」

「俺も誘われましたから」

「は？俺お前のことなんて誘ってねーし」

「俺はAさんに誘われたんです」

最近2人で会ってるのは聞いていた
本が結んだ縁だそうだ、何だそれ
俺には全く興味のないジャンルだ

俺、Aと2人で出かけたことないんだけど！？

どんどん距離が縮んでいくジョンインとAを見ていると
俺には焦りしか生まれない

イライラしながらも待ち合わせの駅で待っていると
人ごみの中からそれはそれは一際輝いているAを発見した

しかしその隣には

「よぉっ！」

何でベクまでいるんだよ

「何しに来たんだよ何しに」

「祭りに行くんだよわりぃか」

「何でAと一緒なんだよ」

「誘われたんだよ、Aに」

もう！A！どうしてお前はそんなに…！

「キレイなんだ…」

「は？」

やべっ、つい口に出ちゃった
正直者だからな俺って

「Aさん、着物似合ってます」

「そう？ありがと」

おいジョンイン！この横取りやろう！
それは俺のセリフだろうが！！！

「パクチャニョルどうしたの？表情筋鍛えてるの？」

Aがキレイで、ジョンインが横取りして、ベクが邪魔で
色んな感情が混じり合ったせいで相当変な顔を披露していたらしい

「あ、あぁ、最近運動不足で、あははははは」

ヤバい
Aの顔が怪しい人を見る顔になってる

何だどうしたんだ今日の俺は！

「と、とりあえず、行こうか」

もはやマトモにAを見れなくなった俺は
みんなに背を向けて歩き出した

後ろでは3人の楽しそうな会話が聞こえる
俺1人で来てる人みたいだ

歩いて行くとだんだん出店も増えてきて
独特の明かりが俺たちを迎えた

突然「焼きそば食べたい！」ってAが叫ぶと
俺も俺もとベクと2人で店に走っていった

出遅れた俺はジョンインとその背中を見送る

「焼きそば食べますか？」

「いや、いい」

「そうですか」

「………」

「………」

何この気まずい空気
A早く戻ってきて！

長く感じた沈黙も実際はそんなに長くなくて
いつの間にか手に焼きそばを持ったAが目の前に立っていた

「パクチャニョルも食べる？」

「え？」

「はい、奢ってあげる」

手に持ってたもう一つは俺の分だったんだ
嬉しくて泣きそうになった