めんどくさい彼女 (ページ26)

今日:3 hit、昨日:3 hit、合計:556,914 hit

２６ページ26

登校すると、学校の門に寄り掛かっているキムジョンインが目に入った
何やってるんだろうと思いながらも
おはよう、と挨拶して素通りするつもりだった
挨拶しないのはさすがに酷いよね、知り合いだし

歩を進めていくと
下を向いていたキムジョンインがパッと顔を上げ
ニコニコしながら小さく手を振った

あぁ、誰か友達を待っていたのか
じゃあ気付かないフリしてさっさと行こう

「おはようございます」
近づいてそう言われたけど
多分私にじゃないだろうなって返事をしなかった

「Aさん、無視ですか？」

「え？私？」

「当たり前じゃないですか。おはようございますAさん」

「お、おはよう」

何だ、私に手振ってたのか

「ごめん、私にじゃないと思って」

「Aさんのこと待ってたんですから」

「なんで？」

「一緒に登校したいからです」

家も知らないし、どの方向から来るかもわからないから
とりあえず門のところで待っていたんだそうだ

校庭を2人並んで歩く
他の生徒(主に女子)から悲鳴だとか溜息だとか
とにかくいろんな視線が私を貫く

キムジョンインって本当に人気者なんだな
私なんかが隣歩いてて悪かったよ
でも不可抗力だから私にもどうにもできない

「Aさんはいつもこの時間ですか？」

「う、うん。大体」

「じゃあ明日はそのくらいの時間に来ます」

ニコッと微笑むから一瞬クラっとした
なるほど、この笑顔にみんな骨抜きになるんだな

「じゃあ明日は会わないように早く来る」

とてもじゃないけど明日もこんな痛い視線浴びる勇気ないよ私は

「そしたら俺はもっと早く来ます」

何なんだこの子は
私の気持ちも察してほしい

下駄箱で靴を履き替える
ここから先は多分別々
やっと解放されるのか
何だか長い道のりだったな、大した距離じゃないのに

「じゃあ俺こっちなんで」

手を振って私に背を向けたかと思ったら
ピタッと足を止めてクルッと振り返り

「あ！お昼一緒に食べましょうね」

そう言い残してスタスタと行ってしまった

朝からシンドイ
また周りからの視線が痛い